「うお~」と泣いたおばあちゃん のあれから
前回のツヤコおばあちゃんのお話、続きがあるのです。
おばあちゃんが 亡くなって1年後
お天気のよい 暖かな日でした。
私は リハビリを終え デイケア室に戻ろうとした時
デイケア室の前に
60代のおばさんが 立っていました。
そのおばさん こっそりと 顔だけ出すように
デイケア室の中を 覗いています。
そして 向こうから来る私と目が合うと
少し 驚いたように しり込みしました。
私は 誰だか分からず 軽く 会釈をし、
そのおばさんも 私に会釈をするなり
すぐに 背中を向け 帰られました。
私も「誰だろう、変な人」と思いながら
部屋に入ったのです。
その時です。思い出しました。あのおばさんが誰か。
ツヤコおばあちゃんの 娘さんだったのです。
私は 慌てて 走っておばさんを追っかけました。
「○○さ~ん」と叫んで呼び止めたのです。
この時振り向いた娘さん
顔がくちゃくちゃになる位 泣いてたのです。
「ごめんなさい、気が付かなくて。
お元気ですか。お変わりないですか。
どうしていますか。」
私は 今までの気持ちを矢継ぎ早に聞きまくりました。
でも おばさん ただただ泣き続け
「うん うん」とうなずくだけ。
やっと出た言葉が「色々ありがとう」でした。
おばさん ツヤコおばあちゃんと一緒ですね。
私が忘れていても
ずっと 私達のこと 覚えていてくれたんですね。
治療を打ち切り
自然に任せて最後を受け入れた娘さんは
私が想像できないくらいの 葛藤があった事でしょう。
1年たって 少し 吹っ切れたのでしょうか。
元気な頃のお母さんの気配を
感じたくなったのかもしれません。
だって ツヤコおばあちゃんの過ごしたデイケアは
おばあちゃんの 生きた証が沢山詰まっているのですから。
これからも私は、
このひとりひとりの生きている証を大切にして
今日も 病気と闘っている利用者さんの支えになれるように
寄り添いたいです。
そして
生きている証を 共に大切にしていきたいです。
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