デイサービスの変更で、介護3から2になったおじいさん

デイサービスの変更で、介護3から2になったおじいさん

先日 病院の廊下で
上品な老婦人に声をかけられました。

「いろいろとお世話になりまして ありがとうございます。」
と一礼されるのですが 覚えがありません。

少し お顔をながめていると 思い出しました。
「○○さんですね。」人の顔を覚えるのが苦手なうえ
1~2回の面識で、まして病衣を着ていたので、
すぐには 思いだせませんでした。

 

この方 私が以前担当していた
アルツハイマー病のおじいさんの奥様です。

このおじいさんは 大変恰幅の言い方で、
座っているだけで 知的な雰囲気を醸し出す方でした。

しかし 病気が進行するにつれ 身だしなみは崩れ
暴言暴力が出るようになったのです。

 

こんな方のリハビリは 生活リズムの獲得や
認知力低下防止を目的で行うのですが
中々病気の進行には勝てず
瞬く間に 別人のようになってしまいました。

家庭でも何もせず ボーとしており
時折 大声を張り上げる、
デイでは とうとう貝の様に寡黙になり、
何もしなくなりました。

 

とうとう 奥様は介護疲れで 床に臥し
ご主人はショートスティに行くことになったのです。

月日が流れ 私は このおじさんの事を忘れていたある日
毎月 送られてくる他の施設ニュースに、
笑顔いっぱいのおじいさんが写っていたのです。

 

その写真を見た うちのスタッフ
「○○さん うちのデイの時と全然違う」と

そういえば廊下で出会った老夫人も 言ってました
「介護3から2になりました。お陰さまで落ち着いてます」

奥様は、いい施設を紹介してくれたことへのお礼を
言われたのでしょう。

 

実はこのおじいさんのデイサービスは
うちのおばあちゃん(姑)が通っていた所なんです。

うちのおばあちゃんは暴言暴力があり
手をやいていたのですが
この施設では 適応でき 徐々に穏やかになってきました。

 

このおじいさんの写真を見ながら
「うちのおばあちゃんがかわったのは
自分のお世話の賜物と思っていたけど
この施設がよかったのかも」と思い始めました。

 

この奥様も 私と一緒で
自分でなんとか頑張ろうとしていたのでしょう。
でも 限界がきて 周囲の手を借り
初めて そのありがたみがわかったと思うのです。

 

家族の愛情が 1番
私が一番の理解者
と思っていたけど そうはどっこい!

 

だから このブログを読んで下さっている
介護家族の皆さん
気負わず 過度に責任感じないでください。
ちょっとした変化で 思わぬ変化や救いがあるのです。

「下を見てると 前が見えない 上を見ていると 夢が見える」
私のところに相談においでる方々によく言う言葉です。

介護も同じです。
段々下ばかり見ていると 前が塞がります。

思いきって 顔を上げてみましょう。
思わぬ 道があるかもしれませんよ。

介護者もご本人も。
このおじいさんと奥様のように。



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