デイ利用者さんに教えて頂きました

津波や地震にとどまらず
原発という　とてつもない見えない敵は
どれだけ　無力の人間を苦しめれば気が済むのでしょう。

人の手で作った物が　幸せをつぐんでくれていると信じ切っていた人達を
握りつぶしてしまう　恐ろしさ
どこに怒りをぶつければいいのでしょうか。

今日、デイの認知トレーニングは
いつもと違う形になりました。

宮沢賢二の「雨ニモマケズ」を
利用者さん達と　大きな声でゆっくりと　音読したのです。

この詩の冒頭は大変有名ですが　全文はあまり知られていません。

その全文を、ホワイトボードいっぱいに　書きしたため
叫ぶように　皆さんと　詩を読みあげました。

そして　最後に　昨日テレビでみたお話をしたのです。

『寝たきりの義母の介護をしているお嫁さん
津波が来て　逃げ切れないと思い
おばあちゃんと一緒にここにいようと　諦めかけた時
おばあちゃんの顔を見た瞬間

「この人を死なせてはいけない」と思い
車椅子に乗せて　必死で山まで逃げたそうです。

みなさん　生きるということは　とても大切なことです。
だから　今日も　与えられた命を大切にして　頑張って生きましょう。』

認知症で　どこまで理解していただけるかもわからないのに

自分の気持ちをあてもなくぶつけるように　話した本心
「ハタ」と　皆さんの顔を見ると
それぞれの目から　とめどなく涙が流れ
涙を拭いた手で　静かな拍手を頂いたのです。

たとえ　考える力が弱くなっても
人の辛さや　悲しさは　かわることなく伝わるのだと
今日は　利用者さんから教わりました。

そして　私は　まだまだ　この方たちから
多くの事を教わらなければならないのだと　深く思いました。