リハビリで元気に歩けるようになったら、叱られた話

リハビリで元気に歩けるようになったら、叱られた話

今日は リハビリしているご家族から

しっかり 叱られたお話をしましょう。



シンコおばあちゃんは90歳。

以前 大腿骨の骨折をして 

股関節には人口骨が入っています。

入院中はリハビリ頑張って

やっと 杖で歩けるようになりました。


でも 退院して 自宅に帰ると 寝ている事が多く 

段々歩けなくなりました。

そんなシンコおばあちゃん 

デイケア来て 仲良しのお友達が出来たのです。

スミエおばあちゃんです。

二人とも 強度の難聴で、

他の人とは何にも会話が出来ないのに

二人だけだと 会話が出来ているんです。


聞こえているはずがないと思うのに

一緒に笑ったり 返事したりと 

なんだか 不思議な二人だけの世界です。

でも  このお二人 

リハビリするには 「全く」と言うほど聞こえないので

一苦労です。

筆談も、認知症のため通じず パントマイムのような指導です。


それでもシンコおばあちゃん 

頑張って、杖を使って歩けるようになりました。

スミエおばあちゃんはシルバーカーで歩けるようになりました。


二人 とてもぎこちないのですが お互い寄り添うように

おフロに行ったり 帰り支度をしたりしています。


私にとっては 特別手を焼いているお二人ですが

お互い支えあい 助け合って 頑張っている姿は

私自身の励みであり 学ぶべきお二人です。


とにかく 歩けなかったシンコおばあちゃん

頑張って 自分のお家の中は自分で歩けるようになったから 

大喜び

スミエおばあちゃんまでもが 喜んでくれてます。


でも それもつかの間でした。


ある日ご家族から電話があったのです。

「リハビリしたせいで 家の中をモタモタ歩くようになった。

転びでもしたらどうしてくれる! 

余計なことはしないでほしい!」

娘婿さんからの 明白な「クレーム」です。


リハビリして 「元気になった」って 

喜んでもらえると思ってたら

「元気になって 迷惑だ」と 叱られちゃいました。


私 悪いのでしょうか。


シンコおばあちゃんとスミエおばあちゃんの 

楽しい時間を作るお手伝いをしただけなのに


トイレは一人で行かせてあげたいって 思っただけなのに


叱られちゃいました。


ご家族には 本当にいろんな方がいますね。

時には常識や道徳から逸脱したご家族もいるのです。


だけど 今でも私 間違ってないと思ってます。

 

シンコおばあちゃん 結局デイケアには来なくなり

いつしか 寝たきりになって 

そのまま老衰で亡くなりました。


今、一人でいるスミエおばあちゃんを見ていて

ほんのひと時でも 自分で歩いて

仲良しのスミエおばあちゃんと過ごせたことは

シンコおばあちゃんにとっては 

かけがえのない 思い出だったと信じてます。

 

後日談:スミエおばあちゃんのあれから



介護でお悩みの方へ

介護ママの伝えたい介護のツボは、
介護でお悩みの方のお力になりたいと考えています。

どうしたらいいか分からないなどお悩みのことがあれば、
こちらの連絡先にお気軽にご相談ください。

可能な限りお力添えさせていただきます。


広告

44 Responses to “リハビリで元気に歩けるようになったら、叱られた話”

  1. 我が家にも97歳になる祖母がいます。
    おかげさまで 一人で何でもできますが
    死ぬまで自分の足で歩いて行きたい所へ行き、
    自分の口でご飯が食べたいと言ってます。
    人として当然の感情です。
    私は そうさせてあげたいと思っています。

  2. 介護ママ より:

    >Mahinaさん
    こちらこそ、ありがとうございます。97歳で、ご立派な生き様ですね。多くの高齢者や団塊の世代のお手本のような方です。どうぞ、お大事にして差し上げて下さい。ささやかながら、応援させていただきます。

  3. 彩美 より:

    間違ってはいないと思います
    ただ 在宅の場合 施設のように目が行き届かなかったり 段差などにより 骨折のきけんもあります 家族の思いも考え方が変とも言いきれない現実があると思います
    ただ ご自分の事を(特に排泄)1人で出来る方は元気だと思います 家族と話し合いながら 福祉資源を使いながら すすめていくのが理想かもしれません

  4. 介護ママ より:

    >彩美さん
    ありがとうございます。根本はご家族とのコミュニケーション不足が原因だと今は反省しています。今後の良き課題になりました。

コメントを残す

広告
サブコンテンツ

このページの先頭へ