不思議の国のゴミ屋敷
今日は 包括さんとの担当者会議
うちのデイの場合 担当者会議は
ほとんどが事業所で行います。
それは、ご家族や利用者さんは
複数の事業所の人達が出入りするのを嫌がるからなんです。
でも、今日の会議は
包括たっての希望での 自宅会議
「せんせいに一度 ヨシコさんの家を見てほしいんです」
と言われ 付いて行くと 車で15分あまりの 古いアパートに到着
玄関ドアをあけると
お線香と 生ごみと
おトイレの入り混じった 雑臭が出迎えてくれました。
とは言っても 耐えられないほどではないので
おもむろに 靴をぬいで
「おじゃましま~す」と足を踏み入れると
しかし 驚いたのは その先にありました。
待っていたのは
台所いっぱいに置かれた 荷物
そして 無造作に床に並べられた調味料
シンクには 洗いかけのお鍋と食器
人が歩く、幅30センチの直線だけには埃がなく
その奥の薄暗い部屋で ヨシコさんは待っていました。
ヨシコさんの6畳の部屋には
物置き と化した2つのテーブルがありました。
その上には 食べかけのお菓子と
飲みさしのお茶が 粉を吹いて置いてあります。
敷きっ放しのお布団の周りは 1年前のお薬が
ゴミ袋いっぱいに詰まってます。
「ヨシコさん お薬飲んでないのですか。
こんな古いお薬、どうするんですか」
少々 きつい言い方で私が聞くと
「この袋は捨てる袋、こちらの袋は大事な袋」
一見 納得のいくやり取りですが
そういいながら 捨てることなくたまり続けた ゴミ達
帰り道 包括のケアマネさんが言います。
「せんせいに ヨシコさんのことをもっと知ってほしかったんです。
そのためには まず この部屋を見てほしくて
わざわざ来てもらったんです」と
本音を言うと 私は あの部屋をみて
ますますヨシコさんが 分からなくなりました。
「私 心療内科に行ってるの」
「片付ける事ができないの」
まるで人ごとのように話すヨシコさん
もしかしたら このヨシコさんの中には
部屋を汚す人と
片つけなさいって命令出す人と
汚い部屋に呆れている人と
それぞれの人格が錯綜し、
この現実を引き起こしているのではないのだろうか。
と、私自身も 現実離れした妄想に
のめりこみそうになった担当者会議でした。
介護でお悩みの方へ
介護ママの伝えたい介護のツボは、介護でお悩みの方のお力になりたいと考えています。
どうしたらいいか分からないなどお悩みのことがあれば、
こちらの連絡先にお気軽にご相談ください。
可能な限りお力添えさせていただきます。
その方はADHDか認知症がありますか?
もしそうならば本人に片付けなさいと言っただけでは 本人だけで片付けるのはムリだと思います。
どなたかがヨシ子さんと「これはどこにかたづけましょうか」と一緒に片付けるのを手伝ってあげなければ 言葉の説得だけではヨシ子さんの部屋は絶対に片付かないと思います…
本人にひとつひとつ『これは1年前の薬で飲んだらどんな副作用があるかわからないので捨ててもいいですか?』『これはまだ使えそうですがどちらに片付けたらいいですか?』と納得して頂いて 時間がかかってもひと通り片付けて頂いても また多分数日すれば そのように同じような状態になってしまうと思いますので その度にお手伝いして差し上げる事が必要になると思います。
差し出がましい事を申して誠に申し訳ございませんが ウチの息子がADHDで何度『これはここに片付けてネ』と言っても『物を大事にしないなら捨ててもいいカナ』などその時は片付けても次からはまた投げっぱなしで一向に片付けるという習慣が身につきません。
片付ける=当然というこちらの価値観を一旦外して 片付けたくても片付けができない人もいるんだという事をアップデート(認識)して頂けたら幸いです。
どうか「なんで片付けられないの!?」ではなく「どうしたら片付けられて快適で衛生的な部屋にヨシコさんに住んで頂けるか」をヨシコさんと共に考え行って頂けたらと思います…本当に失礼いたしました…
>カメですが(・_・)さん
突然失礼致します。
看取りサポートの三村麻子と申します。
カメさんのご意見に賛成致します。
我が家の3人の子供達は全員が私譲りのADHD&ADDです。
一切片付けられません。
私も整理するのが苦手ですし、中々優先順位をつけることができません。
ADHDに関しては、プロといっても良いほどに知識があります。
看取りサポートを行なっていて、何度もADHDが疑われる高齢者に会って来ました。
単純な認知症とも微妙に違います。
多分、この方も高齢になったADHD(注意欠陥・多動性障害)かと思います。
だとしたら、自力での整理は不可能です。
私のクライアントさんに、1年間で1000本のペットボトルと空き缶をベランダにを溜め込んだ方がいらっしゃいますが、買い物袋に入ったままのサランラップだけでも、30本以上見つかりました。
3ヶ月に一度大規模な片付けを3人がかりで行なっています。
この様な方の場合は、手助けが必要と思います。
>カメですが(・_・)さん
そうですね。ヨシコさんはヘルパーさんと一緒に片つけても、一人になっている空白の時間にまた、散らかるのです。また、自分の物を触らせないという頑なな気持ちもあるようです。認知症と、微妙な神経症を持ち合わせた方には、言われるように、通り一片の対応は困難ですね。
>看取りサポートのパイオニア三村麻子さ
ありがとうございます。ゴミ屋敷問題は私達の現場でも大きな課題の一つです。ただ、地域の考え方でしょうが、たとえこちらがサポートのつもりでも、拒否されているサポートは介入できないのです。ケアマネや包括にも動いて貰ってますが、行政的な法律的な壁を 感じる事があります。まして、私の様なデイのスタッフは蚊帳の外のようで、ジレンマばかりがつのります。