亡き夫と息子の思い出と生きている叫び

私には絶対に忘れられない利用者さんがいます。

 

ご主人を亡くし 間もなく長男を亡くし
絶望の淵に立たされた おばあさん

やがて このおばあさんも
非情にも 息子と同じ大腸癌に冒され
やむなく デイケアのご利用を中断され
今は 私の記憶の端っこに行ってました。

 

このおばあさあんが 私の元を訪ねて来られたのは
ご主人が亡くなり、少し元気が出た頃でした。

まだ70代後半の元気なおばあちゃん
笑顔がいっぱいで 自慢の息子は 京都大学出身のエリート

父親がなくなったため 母親が一人になったのを機に
単身地元に戻り
おばあさんと同居してくれたのです。

 

しかし その息子さんも 癌になり
おばあさんを残して 逝ってしまったのです。

 

また 一人ぼっちになったおばあさん
砂の居城が はかなくも崩れ落ちた瞬間でした。

 

実は そこからが ひとつのドラマが始まりました。

兄さんの遺言を守るように
今度は 二男さんが お母さんの元に来て
一緒に暮らしてくれたのです。

長男と同じ 癌を患いながらの 二男との生活

 

あれから10年
おばあさんも 80代後半となり
癌の再発もありません。

 

今は 訪問看護を受けながら ご自宅で過ごされてます。

 

先日 偶然にも 車の窓から見た
見覚えのある笑顔

きっと 遠方にいる娘さんが遊びにこられたのでしょう。

おばあさん 娘さんに車椅子をおしてもらいながら
散歩をしています

 

その 静かな そして どこか寂しげな横顔
それでも 今の自分に
小さな幸せをかみしめているかのように 感じました。

 

それは まるで 疲れた私に 「頑張れ」と言っているような
優しくも 強さを感じる
生きている叫びにも聞こえてきました。



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8 Responses to “亡き夫と息子の思い出と生きている叫び”

  1. まっちゃ より:

    語るに語れないほど
    つらいケースありますよね
    今身近に 1つ
    若い16歳の命が消えていくかもしれない
    ケースがあり 心が痛いです
    先日から
    誤診であることを 
    祈り続けています

  2. 介護ママ より:

    >まっちゃさん
    16歳とは、切ないですね。家族も周りの大人達も苦しいですね。特に、子供を先に見送る母親は身が割かれますね。

  3. いいお話をありがとうございます。

  4. 介護ママ より:

    >あべちゃんさん
    こちらこそ、ありがとうございます。

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