亡くなった息子さんの大切な柔道着

亡くなった息子さんの大切な柔道着


「介護ママさ~ん(ホントは私の名前です)!」と

スーパで呼び止められ、振り向くと

10年前によく行きつけた 本屋のおばちゃんが手を振ってます。


今では白髪まじりのおばあさんです。

「子供さん達 大きくなったでしょう。今どうしてる?」

「はい、長男は東京で働いてます。」


この本屋のおばさん 高校生の息子さんを

交通事故で亡くされたのです。


 

そのため 当時 お店に日参していた 小学生の我が家の息子を

いたく 可愛がって下さっていました。


そんな我が家の息子も高校生になり

おばさんの亡くなった息子さんと同じ高校に入学

同じ柔道部に入った事で

おばさんの我が家の息子への思いは 格別だったようです。


その頃 私が 柔道着を探していると

おばさん お店の奥から 1枚の柔道着を出してきました。

そして 「私が持っていても仕方ないから ボクに着せてあげて」

と差し出してくれたのです。


あ母さんの思いがいっぱい詰まった柔道着

大事な息子さんの 汗が沁み込んだ柔道着

受け取っていいものかわからず 躊躇していると

「あの子に着せてあげて」と 私の手にのせてくれました。


「あの子が 走って店に入ってくると

息子が 返ってきたような気がしてね。

だから この柔道着は あの子に来てほしいんや。」


穏やかな笑顔の奥に見えた 控えめな涙

おばさんの言葉は続きます。

「子供はね『行ってきます』って言って

帰ってくるとは限らないからね。

うちみたいに 帰ってこない事もあるから。

だから 大事に育てなさいよ」


息子の死を引きずることも忘れる事もなく

暮らしている おばさん


今でもあのときのおばさんの悲しい顔と深い思いが

私の胸に響いています。



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15 Responses to “亡くなった息子さんの大切な柔道着”

  1. きっと
    介護ママさんの息子さんがいたことで
    立ち止まることなく
    一歩一歩前に進めたような気がします。
    大切な柔道着も
    人から人へ引き継がれ…
    まっとうでき
    生きる大切さ、命の大切さ、人を思う大切さなんかも引き継がれていったような気がします(^^)
    それは
    きっと、本屋のおばさまが素敵な方なんでしょうね♪
    行動や言動って
    その人の人柄がでますもんね('∇`)
    素敵なお話が聞けて、
    明日からまた頑張れる気持ちが湧いてきました♪
    ありがとうございます♪

  2. アーサー より:

    胸がジ~ンとするお話ですね…。
    聞かせて下さりありがとうございます。

  3. めぐみ より:

    私も胸がジーンとして、思わず泣いてしまいました(ToT)
    良いお話をありがとうございます*

  4. 私には 会えない 孫がいます でも 道に同じぐらいの 子供を見ると 目が細くないます 泣いてる子を見ると 涙が出そうに なります よその子と 同じように成長 している と 思うと いっそう可愛く思えます どうぞ柔道着 と 心をもらって あげてください でも そも子に重荷になるような言葉は言わ無いように 今までのように付き合ってあげてください 遠くから見るだけでもいいのです

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