亡くなった息子さんの大切な柔道着
「介護ママさ~ん(ホントは私の名前です)!」と
スーパで呼び止められ、振り向くと
10年前によく行きつけた 本屋のおばちゃんが手を振ってます。
今では白髪まじりのおばあさんです。
「子供さん達 大きくなったでしょう。今どうしてる?」
「はい、長男は東京で働いてます。」
この本屋のおばさん 高校生の息子さんを
交通事故で亡くされたのです。
そのため 当時 お店に日参していた 小学生の我が家の息子を
いたく 可愛がって下さっていました。
そんな我が家の息子も高校生になり
おばさんの亡くなった息子さんと同じ高校に入学
同じ柔道部に入った事で
おばさんの我が家の息子への思いは 格別だったようです。
その頃 私が 柔道着を探していると
おばさん お店の奥から 1枚の柔道着を出してきました。
そして 「私が持っていても仕方ないから ボクに着せてあげて」
と差し出してくれたのです。
あ母さんの思いがいっぱい詰まった柔道着
大事な息子さんの 汗が沁み込んだ柔道着
受け取っていいものかわからず 躊躇していると
「あの子に着せてあげて」と 私の手にのせてくれました。
「あの子が 走って店に入ってくると
息子が 返ってきたような気がしてね。
だから この柔道着は あの子に来てほしいんや。」
穏やかな笑顔の奥に見えた 控えめな涙
おばさんの言葉は続きます。
「子供はね『行ってきます』って言って
帰ってくるとは限らないからね。
うちみたいに 帰ってこない事もあるから。
だから 大事に育てなさいよ」
息子の死を引きずることも忘れる事もなく
暮らしている おばさん
今でもあのときのおばさんの悲しい顔と深い思いが
私の胸に響いています。
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タグ:息子
おばさんの 行って来ます と言っても必ず帰って来るとは限らないからね…の言葉凄く心に残りました。
引きずる事なく 忘れる事なく過されて来られたんですね…大切ですが難しい事です。
おばさんが 元気で過ごされる事願っています。
>ミイ☆さん
ありがとうございます。おばさん、明るく元気にされてました。実はこの柔道着のお話、続きがあるのです。次回お話致しますね。
当たり前は決して当たり前の事では
ないんだすよね。身にしみるだす。
>しじみちゃんさん
ありがとうございます。人生には思いもよらない事が起こる事ってあるのですよね。