介護のために、急に消えた母親
今日は ある日突然いなくなったおばあちゃんの
お話をしましょう。
私の職場の近所に住んでいるジュンコおばあちゃん
ホントはうちのデイケアには来所されていない方なんです。
でも ある日 ジュンコおばあちゃんのお友達から
「私の友達で1人暮らしの おばあさんがいるけど
ちょっとおかしいの。
ここの近所やから見に行って来て。」と頼まれました。
余計なお世話かなとも思いながら
やはり 心配ですので 私は 様子を見に訪ねてみました。
ピンポ~ンとチャイムを押すと
「は~い」と元気な声が返ってきました。
バタバタと足早に聞こえる足音は、体力もありそうです。
「すみません。町内のデイケアからきました。
お変わりないですか。」
話しながら玄関引き戸が開いた時です。
なんとなく雑然とした室内
ボサボサ髪
センスの悪い?いでたち
なにか 不具合な違和感を覚えました。
ジュンコおばあちゃん
私自身が同じ町内に住んでいることもあり
お話しも弾み、楽しいひと時を過ごせました。
「また 来てね。私1人だから」を約束に
私は帰ったのですが
それから 1度お顔を見に行ったのを最後に
2度とお会いすることはありませんでした。
しばらくして 担当ケアマネさんから
「ジュンコさん 最近おかしいので
息子さんと連絡とってます。」との事
デイケアに通所されていない方ですので
これ以上 私は深入りすることも出来ず
情報も十分に聞く事が出来ないまま
時間が経過しました。
後々 ケアマネさんから
遠方の息子さんがジュンコおばあちゃんを引き取られた
と聞き、一安心していました。
しかし それからまもなく
ジュンコおばあちゃんのお友達から
「ジュンコさん 息子さんのとこの
施設に入ったらしいよ。」
「同居じゃなかったのですか」
「施設にいれるために 連れて行ったらしいよ」
と聞いたのです。
「えっ!なぜ?」
家族の経緯は 当事者でないとわかりません。
あまりにも急にジュンコおばあちゃんがいなくなった現実
おばあちゃんは どんな思いでこの家を去ったのでしょうか。
おばあちゃんの家、今も まるで誰かが住んでいるように
窓越しに台所用品が見えます。
息子さん おばあちゃんの思い出の品を
たくさん 持っていてくれたでしょうか。
私は そんなお節介な 心配をしながら
知らない土地で この空を見ている
ジュンコおばあちゃんに 思いをはせる事があります。
介護とは、近くにいても出来ない事がたくさんあります。
遠くにいたら なおさら 仕方のないことかもしれません。
でも 出来る事なら 友達や親戚がいっぱいいるこの土地で
ジュンコおばあちゃんや息子さんを
支える事ができなかっただろうかと今でも考えてしまいます。
雨どいがはずれ 壁があせた この家だけが
今も おばあちゃんの帰りをずっと待っています。
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タグ:介護
>メイ☆さん
似たようなお話ですね。遠い家族と心配する他人、最後はやはり他人のもとに行く現実。今の社会が凝縮されたお話ですね。ありがとうございます。素敵なお話を。メイさんは、人の為に心をかけてお出でる方なんですね。
>くらまさん
ありがとうございます。おばあちゃんの真意を知ることができませんが、今幸せである事を、切に願っています。近くに息子さんがいるのだから、きっと力になってくれている信じたいです。
ご訪問ありがとうございました。
介護職に携わるとなんとも切ない
場面に多々立ち会う事が多いですね。
ジュンコおばぁちゃんが、少しでも寂しい
思いも薄れて、お元気で暮らしているよう願います
>まるもさん
コメントありがとうございます。この現場は切ない事が多いですね。そん中、相手の方の幸せを願っていきたいです。