空と山と夢
今日は 空と山に夢を託したおじいさんの
お話をしましょう。
私のいる施設は 周囲にはまだ田畑が残っており
その間を 大きな川が流れています。
自然がいっぱいとは言いませんが
手を伸ばせば届きそうな
空と山と川
訪れるものの夢を両手でそっと汲み上げてくれそうな
そんな安心感を醸し出しています。
私自身、この施設に来て
多くの戸惑いもありましたが
体ごと包んでくれそうな 大きな自然は
全ての迷いを払拭し やりがい へと変えてくれてます。
そんなワクワク感を持ちながら過ごしていた日々
両手両足を自由に動かす事ができないおじいさんが
入所されました。
体がどれだけ不自由でも サービスを利用しながら
自分一人で生きてこられた コウイチおじいさん
でも もう一人暮らしに限界がきたのです。
頑張って 頑張って生きてきましたが、
来る歳月には勝てません。
御親戚の勧めもあり 施設での生活を決断
入居されたのです。
コウイチおじいさん 体は不自由でも
頭はしっかりされ お話してると
とても80歳とは思えません。
「できることは自分でしていきたい」
のお気持ちはしっかりお持ちです。
過去のお話し これからのお話しと
とめどなく流れるコウイチおじいさんの人生観
そして これからの人生に希望を持って
来所されたお話を伺ううちに
私自身も励まされているようでした。
しかし 私が 帰ろうとした時
おじいさんポツリと つぶやかれたのです。
「わしね、ずっと車椅子の生活だったから 空が遠かった。
この部屋来て 空と山が近くに見えて
それを眺めるのが 何よりもの楽しみだった。
でも 今日フロから帰ってきたら
こんなものが窓の前に置かれて
山も空も見えんくなっとったわ」と
ベランダからの事故防止のための 柵です。
窓半分を覆い 車椅子目線では 全てがふさがれています。
見た目は優しい木目調の格子板ですが
コウイチおじいさんの夢と希望と楽しみを
一瞬にして 飲み干してしまったのです。
この時始めておじいさんは
自分が人の手を借りて生きていく事を実感されたのです。
場所が変わっても 自分らしく生きようとしていた
コウイチおじいさん
施設管理という 心ない規則で
あなたの夢を壊してしまってごめんなさい。
施設長にお願いして
おじいさんの夢を返してもらいに行ってきますね。
空と山とおじいさんの夢
これは この施設に託された使命なのかもしれませんから。
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>メイ☆さん
はい!ありがとうございます。いい案考えますね!
>のうえんさん
はい!かしこまりました!おじいさん、柵がなくても、ベランダには一人で出れないのです。近隣のお部屋の方も同じです。あくまで、施設基準にそっただけなんでしょうね。
おじいさん 空が見えると良いね! 楽しみが増えると 元気になるからね
自由に外を歩けないおじいさんにとったら 窓から見える景色は 流れる雲や太陽や月を見て暮らすのが生きてる 実感何でしょうね
その思いが家族にも分かれば万が一
事故が起きても
誰も責めないと思います