作業療法士の現場、90歳の結婚指輪
いつもお読み頂きありがとうございます。
いつも にこにこリハビリにおいでるテルおばあさん
危なっかしくシルバーカーを押して歩く姿は
90歳を超えた今でも 元気がみなぎってます。
テルさん リハ室に入るなり 「あら~ こんなもん して来たわ」と
大きな声で 右手で左手を隠します。
どれどれと 私は隠した手を覗くと
左手薬指に 金色の指輪が輝いています。
「テルさん この指輪素敵!ご主人の思い出ですか?」
と聞き返すと
「この間 タンス片づけてたら 奥から出てきたんや。
なんか 指が寂しくて はめてみたくなって。」と照れ笑いです。
「金色って 素敵!指が元気にみえますよ。」
と言うと、テルさん照れながら
「こんな 安もんやけど
主人が始めて こうてくれたんや」
とおもむろに ご主人の思い出話を始められたのです。
テルさんは ご主人を20年以上前に亡くされました。
板金屋さんをご主人と二人で始められ
毎日 油交じりで 二人で必死に働いてきました。
その後 お店を息子さんに譲り 老夫婦ゆっくり過ごし始めた或る日
ご主人が ふらりと持ってきた 金色の指輪
オシャレな模様も イニシャルも入ってない 小さな指輪ですが
30年経った今でも ずれることも 回ることもなく
しっかり テルさんの薬指に しがみついてます。
遠慮がちに金色の光を放っている 老夫婦の結婚指輪
何度となく 死の淵をさまよい 戻って来たテルさんを
守るように寄り添っている指輪に
夫婦の強い絆を垣間見る事が出来た
ほほえましい 出来事でした。
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タグ:作業療法士
>アーサーさん
いつもありがとうございます。指輪って、それだけ重みがあるのでしょうね。
>まあちゃんさん
ありがとうございます。テルさん、支えてくれる人がいたから色々な苦労を乗り越えられたのだと思います。たとえ、ご主人が亡くなったあとでも、どこかにいるような、そんな安心感があったと思います
この歳に なつて 主人との会話が少なくなり 行動に腹がたったりの 私 利用者の中に 仲のいいご夫婦が いらっしゃいます いずれはこのご夫婦のようにと 思います 思い出の指輪 いい話ですね 今のままでは 良い思い出が残りません これから模索して行きます 良い話ありがとう
>おばちゃんさん
いつもありがとうございます。いい思い出とは、その時は分からんのですよ。亡くなった時、振り返った時に初めてきがつくと思いますよ。