医療と介護の狭間

この仕事をしていると

他人だけではなく 親戚からも相談を受けることがあります。


師走も押し迫った30日の夜9時過ぎ

年内最後の仕事を終え 息抜きしていると

私の元に 1本の電話が入りました。


電話の主は親戚の40代の女性

彼女は私の事を お姉さんと呼んで慕ってくれてます。


「あの~ すみません、こんな時間に」

恐る恐る話しだす彼女の声に 不安というよりも

不吉な予感を感じながら 話を聞き始めました。


「実は私の父が退院してきたのです。」

「え~!なぜ?!」


彼女のお父さんが 癌末期であること

手の施しようがない事は 彼女からは以前聞いていました。

 

そんなお父さんが なぜ退院したのか、

それも どこの病院も休診してしまう年末に向けて 

「なぜ なぜ・・・」

信じられない現実に 自分の耳を疑いながら

彼女の言葉にさらなる衝撃を受けたのです。

 

「もう 手の施しようがないのなら 

緩和ケアというのでしょうか、

市内に1つそれをしている病院があるから

主治医にその治療をしたいと話したのです。

 

そしたら セカンドオピニオンになるから

一度退院してから 新しい病院に行くようにと言われて・・・・」

「はー???なに、それ???」

「でも お風呂も入ってなくて 食事も取れなくて

どうしていいかわからなくて。」

「介護保険は申請してあるの?」と聞くと

「転院が決まってから 役所に出したので まだです」


身動きもできない 状況に立たされて

お風呂も入れず 治療もなされず 

弱っていく父親を前に

ただ 年が明けるのを待つ 家族


「できるかどうかわからないけど

○○は 良心的な訪問看護をしてくれる所だから

明日31日でも 誰かいるかもしれないから相談してみて」


私が答えれるのは それだけでした。

それでも彼女は 何度も何度も「ありがとう」を言って

受話器を置いたのです。


それから数日後 

結局 救急車で搬送されたと 聞き

「やっぱりね~。退院した事が無茶なのに・・・これでよかったかも」

と 一安心していたのですが


昨日 「父が亡くなりました」と

彼女から連絡を受け 言いようのない虚しさが込み上げました。


それは 医療にも介護にもはいれない家族がみた

悲しい現実だっただからです。

 



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