小さな夢と大きな扉

「せんせい、私ね、この右手 もう言うこと聞かないって思ってたの。

でもね、みんなが折り紙してるの見てて

自分もしたくなって折ってみたの。

初めは まっすぐな線も折れなかったの。

それでも みんなが優しく 私が折るのを手伝ってくれて

応援してくれて・・・

それでも あんまりできないから

やめようかと思ったら

『大丈夫、大丈夫。前よりも上手になったよ』って

みんなが励ましてくれてね。

そしたら 少しづつ折れるようになったの。

曲がらなかった指が 曲がるようになったの。」

 

カズコおばあさん 脳梗塞になって

利き手の右手が うまく使えません。

お箸もやっと持ってます。

そんなカズコおばあさん

初めは見てるだけの 折り紙細工でしたが

やがて 自分で折り始めました。

思うように動かない 右手 5本の指

「私の手じゃない」って

はがゆくて 悲しくて 泣きたくなることもありました。

それでも みんなが「がんばれ」って応援してくれるから

泣かなかったのです。

負けなかったのです。

動かなかった右手の5本の指

曲げたり 伸ばしたりして 私に見せてくれます。

「せんせい 見て、私が折ったの。」

首を少し傾けて うふふと笑うダルマさん

ちょっと恥ずかしそうに 目を細めて まっすぐ前を見ています。

それはカズコおばあさんの 小さな夢が 大きく開いた瞬間でした。



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