奥様に先立たれた、少し切ない高齢者の一人暮らし
今日は 子供がいなく 奥さんに先立たれた
ちょっと切ない おじいさんのお話をしましょう。
セイジおじいさんは 長年老舗の呉服屋さんで
大番頭をしていた 粋で上品なおじいさんです。
和服はもちろん 洋服のセンスもよく
デイケアでもひときわ目をひく おしゃれな方です。
セイジおじいさんには 子供がいなく
奥さんと二人 とても仲睦まじく暮らしていました。
でも その奥さんも1年前に先立たれ
親戚や身内も遠方で 頼る人もいません。
おじいさん 老いていく自分に不安を感じ
最近地域に新築された 介護付き有料住宅に入所しました。
しかし 奥さんの思い出がいっぱい詰まった家が
忘れられないのでしょう。
そこでは落ち着けず 3ヶ月で退所
結局 元の自宅での1人暮らしとなったのです。
当初は頑張って 過ごしてましたが
おぼつかない足取りは 転倒を繰り返し
やがて 歩くことも ままならなくなりました。
そんな状態でも セイジおじいさん
「頑張らなくっちゃ」を掛け声に
町内を ペンギンのような足取りで散歩しています。
でも 悲しい事が起きたのです。
こんなに セイジおじいさん 頑張っているのに
おぼつかないおじいさんの散歩を見ていた近所の人から
「危ないから 出歩かないように言ってほしい」と
ケアマネに連絡がありました。
セイジおじいさん リハビリも一生懸命頑張っていたのに
おじいさんの口癖
「家には 待っててくれる人がいるから(なくなった奥さん)
心配かけれないから 頑張らなくっちゃ。
僕は ひとりぼっちだから 」
と誰に言うでもなく つぶやきながら 体操しています。
そして ニコリと笑って 横にいる私に目をやり
「エヘヘ」と照れ笑いします。
私は なんて言ったらいいかわからず
「うん」とうなずき 悲しい顔をすぐにしてしまいます。
そしたら すかさずセイジおじいさん
「先生 あなたが 悲しい顔したらだめよ。
あなたは そ~ね と笑っていないとダメなんですと」
と叱られます。
ホントはとても寂しいのに とても悲しいのに
奥さんに 心配かけられないって頑張っている
セイジおじいさん
おじいさん 外を歩いて
空の上にいる奥さんに
自分の元気な姿を見せたいだけなんです。
だからいつでも外に出れるように
自分の家に戻ってきたのです。
よぼよぼ歩きでもいいじゃない
もたもたしてていいじゃない
精一杯の思いで歩いてるのだから
セイジおじいさん 奥さんといつも
青い空の下を仲良く散歩していたのです。
今もずっとその気持ちは かわらないのですよ。
「僕はひとりぼっち」と言ってるけど
「違うわよ。私が傍にいるでしょ」と
奥さんのそんな言葉を聞きたくて
毎日 空の下を歩くのです。
子供のいないおじいさん
本当は ずっと 「ふたりぼっち」でいたいのです。
だから 地域の人たちが ほんの少し
おじいさんの気持ちを 理解してくれることを
願ってやみません。
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セイジおじいさんの頑張りが誰かに届くといいですね。
人生の先輩と関わる事は大変な学びになります。
セイジおじいさんがどんなに毎日を
大切に亡き奥さまと過ごされているかよく伝わりました。
介護ママさん、ありがとうございました。
また、おじゃまさせて頂きます。
こんばんは。
本当に近所の人というのは、余計な事をいうものですね。
温かく見守ってあげればいいのにと思います。
胸が熱くなりました…。
先日は無知な僕の介護の知識にわざわざ
メールで詳細を教えて頂きまして有難うございます。
今回のセイジおじいさんの件では考えさせられる事
が有りました。
一つは近所の方達の反応です。
日本という国はことさらに物事を大げさに考える
きらいがありますね。
ちょっとした事でも蜂の巣を突いたように大げさに反応
し、時には集団で事を片付けようとすることです。
色々、告げ口のような事をするのは自分が関わって
巻き込まれるのを嫌がるが故の一種の責任逃避
だという気がします。
全く「小さな親切、大きなお世話」って思うことが
しばしばです。
近所の人も危ないからと言って大騒ぎをするのでは
なくそっと見守るほどの優しさがないのでしょうか。
普段はいい意味でし知らぬ顔をし、いざと言う時
はみんなで助け合える社会が望まれます。
おじいちゃんになんか有った時こそ、さっと飛び出し
手助けして欲しいものです。
二つ目はおじいさんのお気もちです。
どんなにお年を召されても奥様を思い、いたわるお気持ちが感じられます。
何と優しいお気持ちの紳士でしょうか。
ペンギン歩きのおじいさんを想像するととっても
滑稽な感じがしますが、そんな周囲の目を気にする事無く、自分の思いを行動で示されるセイジおじいさんを誰が笑えるのでしょうか。
なかなか《町内会》やご近所さんは、昔みたいに《おせっかいだけど、気がつく》お付き合いは難しいですよね。立ち入られたくないけど、あれこれ言う…。地域が助け合いながら高齢者を温かく見守れる《連携》が再び生まれる事は出来ますかね?☆ご自分のブログのコメントの返事も大変でしょうに…私のブログに、いつもコメントありがとうございます!!