引き継がれた亡き息子の柔道着

亡き息子の柔道着

前回の柔道着のお話には続きがあるのです。


スーパーで 10年ぶりに再会した 本屋のおばさん

すっかり 白髪交じりの初老の雰囲気を醸し出し

上品に年を重ねておいでます。

自分の事をおいて 我が家の子供達の事を聞いてくださる所なんかは

昔と同じです。

古き良き時代の 近所のおばちゃん そのままです。


 

「そうそう おばさんから譲り受けた柔道着

息子が高校を卒業する時 後輩に譲り、使ってもらいました。

1枚の柔道着が ずっと 高校の生徒さんに引き継がれています。」

と おばさんに 話しました。


そしたら おばさん 顔いっぱい笑顔になって

「え~ そうなの~ 嬉しいね~

着てもらえてるんだね~」と喜び

続けて 静かに

「私がもっているよりも ずっとよかったね」と

何かを思い出すように ポツリとつぶやかれたのです。


汗のいっぱい詰まった古い柔道着

でも お母様のあふれんばかりの愛情が込もった柔道着

たとえ 着る主が変わっても

引き継がれている 母の思い

それぞれの子供たちが それぞれの母親に守られながら

成長していってるのです。


あの柔道着 今はどの子の元にいるでしょう。

今は 知る余地はありませんが

1枚の柔道着に秘められた お母さんの涙と かなわなかった夢を

いつまでも 消えることなく つなげていってほしいと

切に願っています。



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8 Responses to “引き継がれた亡き息子の柔道着”

  1. 花水季 より:

    息子さんの柔道着が 誰かの身にまとわれ 今も 大切に着て貰ってると思うだけで
    嬉しいですよね~
    どこかで 生き続けてるような そんな
    気持ちになります

  2. 恵愛 より:

    伝統って、いつまでも引き継がれていくものですから、柔道着も必ず後輩に引き継がれて行ってると思います。なんども、なんども補修をされながら。

  3. 介護ママ より:

    >花水季さん
    ありがとうございます。命が繋がれているような気がしてなりませんね。

  4. 介護ママ より:

    >恵愛さん
    ありがとうございます。そうですね、特に柔道着った丈夫だから、永遠不滅かもしれませんね。

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