息子の介護をする父親の気持ちとは

息子の介護をする父親の気持ちとは

今日は、息子の介護をしている年老いた父親のお話をしましょう。


もう20年あまり前のことです。

同じ町内に住む あるご家族のお話です。

当時20代の息子さんは 体が不自由なこともあり 

話しかける友達もなく

一人でいつも 公園のブランコに乗っていました。


そして この息子さんを 

両手いっぱいに 包むようにお世話をされているご両親

 

特にお父さんの姿は

当時 子育てに追われていた私には

とても 印象深く 時には胸が痛む位

切なさを感じる時がありました。


そんな 息子さんが 最近

うちのリハビリに 外来で通院され始めました。

腰痛とのこと。


朝 元気に

「おはようございます。リハビリお願いします。」

と言って リハビリ室に入って来る姿は

20年前のどことなく寂しそうな彼とは

想像がつかないくらい 明るいのです。

 

そんな様子を 年老いた父は 

廊下で 静かに終わるのを待っています。

 

お父さんは 担当ではない私にも 廊下ですれ違うと

いつも 静かに 丁寧に会釈をされます。

障害を持ちながら生れ、生きてきた息子が

当たり前のように 人と交わり

当たり前のように 人に話しかけられ リハビリをする姿


20年前の一人ぼっちの彼を見ている私には

人ごととは思えない

安心感と嬉しさを覚えます。

 

きっと 廊下で待っているお父さんは

それ以上に 嬉しいと思います。

 

時の流れと共に

お父さんは70代になり 息子さんは40代になっています。

 

年老いた父が 成人している息子を介護する。

 

多くの高齢者の介護を見てきた私には

この現実に 

言いようのない切なさと現実の厳しさを感じます。

 

高齢者介護とは違う

将来への不安 抜け道の見えないトンネルを歩いているような 

そんな気持ちに駆られることがあると思います。

 

でも この中を たとえ小さくても 

希望や明るさがあれば

どんなことにも感謝し、おしみなく労力を費やす

そんな年老いた父親の姿は

私自身の体の中に

ズシンと1本の 筋を通してくれたような

そんな 大きな衝撃を与えてくれました。



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18 Responses to “息子の介護をする父親の気持ちとは”

  1. にこりん より:

    障害を持った子供を親が介護する・・・
    もしくは、その逆でも・・・
    当り前ではあるけど、子供の行く末を考える親の立場としてはとても心配だと思います。
    でも、薄情な言い方かもしれませんが出来る限りの道筋さえ付けておけば何とか成ると思うしかない様な・・・
    他人は、同情をしたりするけれど 案外当人は迷惑かも知れません。
    その子だけが特別なのではなく、私達も実際に介護を必要とする時にひょっとしたら自分ひとりかもしれませんし・・・
    やっぱり、私は薄情ですかねぇ・・・

  2. 介護ママ より:

    >にこりんさん
    いえいえ、薄情ではありません。親は元気なうちに、意外と道筋を考えていたり、本人に自活の術を教育しているかもしれません。他人は困った時、助けを求めた時に手を出す、それで十分だと思います。

  3. 果成咲慧 より:

    こんにちは。
    親というのは、どんな事があっても変わらずに愛情を注いでくれる大きな存在ですね。
    私も親に心配をかけっぱなしです。
    ブログを読んで、改めて親というのは、私にとって大事な存在だと実感しました。

  4. fumiemon より:

    息子さんの介護をするお父様。
    お父様はさぞかし将来を不安に感じている事でしょうね(_ _。)
    親といえども人間なのでさまざまな葛藤もあることだと思います。
    でも無条件に子供に対して愛情を注げる親の偉大さ。
    親を尊敬します。
    人間誰しもいつか人様のお世話になるのだけれどすべての人が報われる社会が来るといいですね(;^_^A

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