息子夫婦との同居よりも大切なもの
いつも強気のキクさんのお話をしましょう。
一人暮らしのキクさん
元気はつらつに過ごしていました。
でも ひょんなことからギックリ腰になり
急に弱気になったのです。
今まで お買い物もお料理も 大好きな編み物も
難なくこなしていたのに
痛みと不安で お布団から出られなくなりました。
近所に住む息子さん夫婦は
心配して お勤め帰りに二人でキクさんの家により
いろいろお世話をして下さるのです。
特にお嫁さんは「お母さん」「お母さん」と言って 優しいのです。
だからキクさん 同居を考えました。
自分のために 部屋まで作ってくれていた息子さん夫婦
その思いに感謝して 手を合わし
少しづつ元気になって
「この子たちとなら」って、同居も考えて
そして
息子さんが自分のために作ってくれてお部屋を見に行ったのです。
奥まった静かなお部屋
便所もあり 玄関からどこも通らず行ける部屋
「ま~ もったいない。私の為に」
とキクさん感激して 自分のおうちに戻ってきたのです。
「それで 同居することにしたのですか」と私が聞くと
「いいえ たしかに至れり尽くせりの
もったいない部屋ですよ。
でもね、あそこに行くと 私がダメになりそうで。
あまえちゃいけない。
息子夫婦とは 所帯が別だから いい関係でいれるんですよ。
狭くて 古い この家が 私には一番や」
そう言いながら
キクさん 何事もなかったように
編みかけの手編みの帽子の手に取り
続きを編み始めました。
老後 一人になった時
なにが必要で何が大切か
この方は ちゃんとわかっているんだな と
いつも強気のキクさんが見せた
ほんの少しの弱気に
その人の賢さと、母としての思いを感じました。
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