戦争から帰らない次男を待つ母
いつもいつも泣いてばかりいるトモコさん
子供に帰ったのでしょうか。
頭の病気のせいでしょうか。
「ねーちゃんねーちゃん」と
傍を通る職員を呼びとめ
隣に座ると 手首をギュッと握りしめ
自分の隣から離れないようにしがみついてるのです。
何かに怯えてるように
何かを恐れてるように
ビクビクしている悲しそうな目
「トモコさん そんなに泣いてばかりいないでくださいね。
上を見て 一緒に バンザーイ をしましょう。」
と私が言うと トモコさん 私に合わせて
一緒に バンサーをしてくれました。
「バンザーイ」と私が言うと トモコさんも続けてくれました。
でも その時とても悲しい現実を私は知ったのです。
「バンザーイ 山田シゲハル バンザーイ」
泣きめそ トモコさんからは想像もできない大きな声
「シゲハルさんって誰ですか?」
「二男や」とトモコさん
たしか トモコさんは長男と長女しかいないはず
いえ 私達の手元に寄せられた情報には
このお二人の子供さんしか知らされてません。
そうなんです。
戦争で亡くなった二男さん
「シゲハルさんは戦争に行かれたんですか?」ともう一度聞くと
「な~ん この子はどっかに行ってるんや」とトモコさん
トモコさんは いまでも帰らぬ二男のシゲハルさんを待ち続けてます。
それを 忘れることなく 帰りを待ってます
あの時見送ったバンザイを頼りに
泣きながら 待ってるのかもしれないと
悲しい母親の 涙の裏側をみたような気がしました。
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いまだに 戦争の影が うごめいてるのね 私の死んだ父も 戦争の話はしなかった 子供の宿題におじいちゃんおばあちゃんから 体験談を聞くように言われても 話しませんでした すごく孫をかわいがっていたけどね
僕は親戚の叔父さんから戦争での自慢話をよく聞かされました。
でも話が終わると遠くを見て悲しいような苦しいような顔をしてました。
自慢話をしていても、人を殺めた心の傷は癒えないんだと気づかされました。
戦争をしたい人なんていないんだから
ホントに戦争は無くなって欲しいものです
>おばちゃんさん
そうなんですか。口にしたくない程の現実なんですね。
>鯨夢さん
戦争の苦しみと悲しみは当人しかわからないのでしょうね。消えない傷として残ってるんでしょうね。