昔のヤクザ

今日はちょっと介護と離れたお話をしましょう。

昨日暴力団排除条例のことがテレビで流れてました。

今から４０年あまり前

私が小学校4年生の時です

当時私が住んでいた町は　地元でも繁華街で

ヤクザと言われている人達が出入りしていました。

昔のヤクザは、今とは少し違い

お祭りには　綿菓子屋　たこやき屋のお店を出し

ちょっと　やんちゃな言葉を使いまわしている

いかついお兄さんが中心だったように思います。

もちろん　私達　普通の生活をしている者には

危害を加えることはなく　ブラブラしており

子供心に「この人達は何をしているのだろう」と

不思議でなりませんでした。

当時　私のクラスに　地元の小さなヤクザ組の組長の娘がいました。

この子は　授業中先生にあてられても　返事もせず　下を向き　

クラスメートとは　決まった子としか話しませんでした。

その中で　私は　その数限られた会話をする友達の一人でした。

ある日　その子が

「お母さんが　動物園に連れて行ってあげるって言ってるから　

一緒に行こう」　と誘われました。

子供心に嬉しく　母親に了承をとり

日曜日　彼女とその子のお母さんとクラスの子２人とで

動物園に出かけたのです。

その日の夕方　私の母がお礼の電話を入れたら

言葉使いが　違うため　私に聞きました。

「なんだか　やんちゃな言葉を使う人だけど　どんな人？」って

「あ～、なんかね　ヤクザらしいよ。」

と　私が答えると　母は目をパチパチさせ　ビックリしていました。

ただ　そのあとです。

今でも　自分の母親ですが　凄いと思ったのは

他のお母さんの様に 「遊んだらダメ」「近寄ったらダメ」とは　

言わなかった事です。

それから　私は彼女が転校するまでの１年間

一緒に遊び　一緒に勉強しました。

そんな私を　母は心配するそぶりもみせず・・

そして　その時思ったのです。

いえ　大人になってから　と言った方が正解でしょうか。

当時　子供の目線でヤクザと言われる人を　傍で見てきて

『人は　節度を持って生きていれば　道にはずれることはない』と

わが身を持って学びました。

きっと　母は　その事を教えるために

あえて　彼女との友情を認めて

私を信じてくれていたのだと　思うと

亡くなって感じる母の愛に　ただただ感謝するだけです。