母がいなくなって20年目の告白

いつものお彼岸

行きかう人達も まるで顔なじみのように挨拶をして すれ違う

ここだけが ゆっくり時間が流れてるような

そんな錯覚すら もってしまいます。


徘徊 行方不明事件から 

なんとなく 元気のない父

目的であった 母のお墓に一緒に 行きます。


途中の車の中

いつもなら 同じ事を何度も繰り返して聞いて来るのに

今日は 心成しか 口数も少なく

まっすぐ 前を見ているだけ。 

その横顔に どこか 切なささえ感じます。


そんな 父が 母のお墓につくと

おもむろにしゃがみ

かぶっていた帽子を膝の上に置くと

静かに 両手を合わせ 目を閉じ 合掌します。


さぞや 長いお参りかと思いきや

時間にして 5秒足らず

すくっと 父は立ち上がり

「さあ もういいぞ」


「えっ?! お父さん もういいの?」

「そうや もういい。

これ以上 おると 涙が出てくる」


この思いがけない言葉に 

私自身も 急に 胸が熱くなりました。


母が居なくなって 20年

父はいつも母を思い

母はいつも父の傍にいたのです。


そして 形に見えない母を求めて

父は夜道をさ迷い

ホントに居ない事をあらためて知った 現実

 

20年目にして 受け止めた母の死

娘として 父を支え切れなかった自分の無力さに

今は ただただ 涙しています。



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