父のグループホーム入所日当日の話

父のグループホーム入所日当日の話

北陸の冬は寒くて少し暗いです。


父がグループホームに入所する日の朝

弟のお嫁さんと主人と 病院まで父を迎えに行きました。


「お父さん 今日からは病院じゃないからね。」

「どんなとこや」

「そうね~ お年寄りの寮みたいとこかな。」

「そうか~ お母さんおらんくなったから

家にいても寂しいし 賑やかな所ならいいな」

「すごく賑やかで、みんな優しい人ばかりだから。

・・・ゴメンネ うちに来れなくて」そう私が言うと

「な~ん おまえは仕事があるし、子供もいるから。

お父さんは大丈夫や」


昔はわがままで、母を随分苦しませた人なのに

いつのまにか 周囲への気使いをするようになって


学生の頃 夜遅く帰宅して

手を振りかざして 怒った父

就職は家を出たいと言ったら 男泣きした父

母が亡くなったその晩 私達が寝静まった夜

母の枕元で 一人すすり泣いていた父


今は降り積もる雪の中から

私達の後ろ姿を 手を振って見送ってくれています。


「お父さん 寒いから中に入って」

「な~ん。 お父さんは北海道育ちだから大丈夫や」

と、ホントの様な夢の話をして笑ってます。

義妹が「えっ!お父さん北海道に住んでたんですか」と

ビックリして聞いてきました。

「いいえ、北海道に行ったことがあるだけなんです。

よっぽど 気に行ったんでしょうね」


お父さん そんなウソはだれも通じませんよ。


北陸の雪は 重く冷たいのです。

掌で受け止めると 指の隙間から水になって流れていきます。

そして その冷たさと 水滴だけが 手の中で渦巻いて

深く深く 悲しく心にしみていきます。



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4 Responses to “父のグループホーム入所日当日の話”

  1. メイ☆ より:

    介護ママさん こんばんは。
    お話しの中から お父様の 〔安心してくれよ〕って気持ちが伝わって来ました。
    それに、今は凄く暖かい関係になられているようにも思いました。

  2. 介護ママ より:

    >メイ☆さん
    こんにちわ、メイさん。今年もたくさんのコメントありがとうございます。みなさんからのコメントは、とても大きな励みになりました。父も今は穏やかになり、心配していた母も喜んでいると思います。来年も宜しくお願い致します。

  3. 気持ち複雑 で しようね わたしも 介護ママの ブログを 読んで 介護の道に片足だけ入ってます 利用者さんの 笑顔が 好きです でも上手に介護は出来ません こんな私のような未熟者でも 受け入れてくれる お年寄り(う 自分も仲間入りかも) ありがとうございます と いえます おとうさんも 施設の中の人気者になれると 良いね それより 施設になれると良いね 願っています

  4. 介護ママ より:

    >おばちゃんさん
    いつもありがとうございます。たくさんのコメントホントにありがとうございます。父が楽しく過ごしてくれること、ただそれだけを願っています。

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