白血病の孫の死で打ち解けた嫁姑
今日は孫の死で、不仲だった嫁と
打ち解けていったおばあさんのお話をしましょう。
チャコおばあちゃんはお孫さん二人と
息子さん夫婦の5人家族。
でも チャコおばあちゃんはお嫁さんと
あまり仲良くありませんでした。
「都会の人は冷たい」が口癖で
気に入らないことが色々あったようです。
でもお年頃のお孫さんとは仲良しで
昔から 3人でお留守番をしていました。
ただ 上のお嬢さん 昔から体が弱く
チャコおばあちゃんは色々心配が絶えなかったようです。
ある日 上のお孫さん 熱が続くので病院に診察に行ったら
「白血病」との宣告を受けました。
気丈なチャコおばあちゃんですが
誰もいなくなると
「うちの孫 白血病で助からないんや。
私が変わってあげたい。なんで 私が生きとるんや」と
涙ぐみます。
「でも 先生 誰にも言わないでね」
と言う この言葉の深さに
私は 返す言葉もありませんでした。
それから数カ月後 お孫さんが亡くなりました。
おばあちゃん お休みしたのは2週間だけ
「家にいても 辛いから」と。
遺影と自分だけの時間は
悲しみよりも 辛さと悔しさと 申し訳なさが
込み上げてくるそうです。
それから 時間の経過と共に
お孫さんの死をデイケアのみんなが忘れかけた頃
おばあちゃん 話してくれました。
「あの子が亡くなってから お母さんが変わったんや。
今まで冷たく 話もしてくれなかったお母さんが
亡くなったあの子の話を 私にしてくれるようになってね。
そして おばあちゃん長生きしてね、
って言ってくれるんや。」
お嫁さんが変わったのか
チャコおばあちゃんが変わったのか はわかりません。
でも お孫さんの命が
家族の絆を強くしてくれた事だけは確かです。
小さい時から可愛がってもらってたおばあちゃん
自分の命と引き換えに
家族の絆を置いていってくれたのです。
そんな話をしてくれる おばあちゃん
私には とても悲しそうに見えるのです。
「ホントは 自分が幸せにならなくてもいいから
神様 この子を返して下さい」って 言ってるようで
人の死は 悲しさだけではなく
残された者に多くの教訓を置いていってくれます。
でも 年老いた祖母には
それは やはり悲しみの何者でもないのです。
それを背負いながら生き続ける
チャコおばあちゃんに
私は 計り知れない強さを感じました。
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強い方なのではなく…強く生きていないと、周りに心配かけるし、何より自分自身が(壊れてしまうからだと)思います。娘や孫、自分より小さな、若い命に先に逝かれた親族は、他の人には到底わからない(心)を抱えて生き続けなくてはなりません。本当に辛いものです。
>Sol de Mexicoさん
そうですね。強くしているのですね。まだまだ私の目は未熟です。ありがとうございました。
チャコおばーさん、それにお嫁さん… 二人共 自分より若い人が亡くなるって、ほんとに辛い思いをされて…こんなに悲しい事は、無いと思います。できれば自分が変わってあげたいと思う気持ちも、計り知れないものがあります。
お嫁さんとの関係が、良くなってきている との事ですが、嬉しい反面 やっぱり そこにお孫さんがいて欲しかったです……
悲しいですが、お孫さんの死によってお互いの考え方が変わったんでしょうね。
私の父も言います。
「momoちゃんの病気、わしが代わってあげたいんやけどなぁ、こればっかりはどうにもならんしなぁ・・・」
その言葉だけで充分です。
家族の誰かでなく、私が病気で良かったと思うのです。
おばあちゃんの代わってあげたい。
その言葉のお気持ちが伝わってくるようです。