真の犠牲者

東北の復興が　政治家の手ではなく、

民間の手と勇気で　動きつつあります。

情けない　政治家達の思考状態

守らなければならないのは　政治よりも

今日生きている人達である事を　忘れないでほしいです。

そんな　情けないテレビを見ていて

カズコおばあさん　大きく溜息をついてます。

「どうされました？」と聞くと

「私は　新潟の地震を知っている。

あの時は　みんな必死だった。」

カズコさん　地震の数年前に同居していた息子さんを

癌で　亡くされました。

息子さん　亡きあと　お嫁さんが働きに出て

自分は留守番をして　一緒に力を合わせて暮らしていました。

生活は楽ではありませんが　

息子の死を　お嫁さんが支えてくれて

ドン底から　やっと抜けれた矢先

あの地震が起きたのです。

「新潟中越地震」

カズコさんの一家のささやかな幸せを

一瞬に揺るがし　不安に陥れたのです。

今まで専業主婦だったお嫁さんが見つけた働き口は

「契約社員」いわゆるパートです。

そして　この地震で　景気が悪化　お嫁さんは解雇となりました。

大学生の長男さんを抱え　

お嫁さんの苦悩は　並々ならぬものだったでしょう。

そして　その晩　カズコさんは　決心しました。

「私がいたら　あんたは働きに出れないやろ」とお嫁さんに告げ

娘夫婦を頼り　見ず知らずの町に行ったのです。

今　静かにテレビを見ながら　溜息をもらす横顔

自分たちと同じ苦しみを　

多くの方々、多くの高齢者が味わい　そして泣いているのだと

いつの世も　犠牲になるのは

声にだせない　陰に埋もれている　弱者であることを

震える握りこぶしが　教えてくれているようです。