突然の喪中ハガキ

20年以上年賀状だけやり取りしていた友人がいます

 

特段親しいわけでもないのですが

いつのまにか 毎年届く年賀状で安否を確認し

時折 思い出したように ひょこっと 電話があったりして

そんな彼女から届いた突然の喪中ハガキ

彼女とは 20歳以上も違うから 友人というのは失礼でしょうか。

 

そんな付き合いの延長線上で届いた 喪中ハガキ

亡くなったのは 病気療養中のご主人でした。

私は すぐに 彼女に電話をしたものの

なんて言っていいかわからず

鳴り続ける 呼び鈴を聞きながら 自分のした事を少し後悔していました。

 

しかし その後悔は 一瞬にして消えたのです。

電話の向こうから 明るく 弾んだ彼女の声

「16年介護してたから もう大丈夫

お父さん(ご主人)も頑張っし 私も やりつくしたから」

配偶者が亡くなって 元気でいられるなんて

きっと 無理してるのだろうと

次の日曜日 近くまできたのでと言って 彼女を訪ねると

電話の様子そのままに 明るく元気でした。

 

涙ひとつ見せず 介護の苦労話を私に聞かせてくれる彼女

その奥に 秘めた優しさと強さ

笑顔の隙間から見える 寂しさと 安堵感


その時思ったのです。

私が彼女の元に足を運んだのは

もしかしたら 自分自身のためなのかもしれないと


愚痴ばかり言うご家族や

不平不満を訴える ご家族

辛さや悲しみで 震えているご家族

この方たちに かけることばを探しに

彼女に会いに行ったのかもしれません。

 

「介護ママさん

私ね みんなが 大変ねっていうの。

でもね、 私 介護してる時が一番幸せだった。

いえ、今亡くなってそう思うの。

あのね 赤い糸って 出会うためにあるんじゃないのよ。

いつか来る 別れのために あるのよ。

この人が 天国に真っすぐ行くために

迷わないために 私が赤い糸で あの人を守っていたの」

 

彼女は 笑顔でそう話してるのに

聞いてる私が 涙ぐんじゃって

そんな 私を「あなたは かわらないわ~」と

優しく 肩をさすってくれました。

その温かい手は 亡くなった母親の

忘れかけた 温かいぬくもりでした。



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8 Responses to “突然の喪中ハガキ”

  1. Piccolo より:

    どんなに、恵まれた生活しても愚痴や文句が出てきますが、ご友人は何処にいてもどんな境涯でも変わらない強さと優しさを持ち続ける方なのですね。
    人として目指したい生き方です(-人-)

  2. 介護ママ より:

    >Piccoloさん
    きっと介護中は色々悩んでたでしょうが、時間が経ってそう思えるようになったのだと思います。
    愚痴らない凄さに脱帽です。

  3. より:

    こんな私でも その方の思いが少し分かります。
    いえ きっと爪の先ほどなんでしょうね(笑)私は 全然優しくもなかったし 凄い人間でもなくて…。
    ただ 私は自分のしてきた介護に後悔や悔いなんてものは無くて 周りが 時間が経てば ああしてれば こうしてれば と思う日が来るとか 御悔やみの言葉も頂きましたが 私は周りの反応とは反対に やり遂げた気持ちでスッキリしていました。
    自分の出来る事 あの時の全てをしましたから。
    もっと優しくしていればとか思いますが 無理でしたね きっと(^-^)
    あの時 自分の持てる全ての力で介護したつもりです。
    その方も 全ての力を注がれたのでしょうね。
    私は その方の足元にも及びませんが そんな お気持ちも あったのかなぁと想像しました。
    きっと 今は 青空が見えているんですね きっと(*´∇`)

  4. 介護ママ より:

    >雪さん
    ありがとうございます。介護は投げ出さなかったことそのものが凄い事で、優しさだと思います。雪さんもこの彼女も私には最高の友人です。

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