紙パンツに中々持っていけない家族のために
家族会で必ず出る質問の中に
「紙パンツをはいてほしいのですが、なかなかはいてくれません。」
があります。
意外と、認知症でない方のほうが
紙パンツ(リハビリパンツ)への移行がスムーズなんです。
それは、その方が自分の現在の状況を悲しいくらい認識し、
家族や周囲に負担をかけていることを知っているからです。
だから、涙をのんで紙パンツを履く決断をされます。
しかし、認知症の方はそうはいきません。
なぜなら、自分が排泄の失敗をしていることに気が付いていないのです。
また、失敗したことに気が付いても、それをすぐに忘れてしまいます。
そのため汚れている下着が、尿汚染だとは思いません。
また、薄々自分が失敗していることに気が付いても
取り繕うように下着を隠すことは多々あります。
だから、紙パンツをはく必要性がわからないのです。
こんな時、私は自分の経験談を皆様にお話しします。
「家にある、その方のすべてのパンツを片付けてください。
たとえ汚れたパンツでも、目についたらそちらをはかれます。
その方がいつも片つけている場所に自分のパンツがないとき、
「パンツがないかね?」と言われます。
その時、何食わぬ顔で紙パンツを出してみてください。
しぶしぶながらもその紙パンツをはかれますよ。」と。
もちろん、すべての方に通用するとは言えないでしょう。
この時のポイントは、1枚でも布をパンツを置いてないこと。
もちろん昔のパンツすらもを残さないことです。
キーワードは「自分で決めていただくこと」
たとえ認知症になっても、人は自分のことは自分で決めたいのです。
本当は今までの自分と違うことを感じているのかもしれません。
でも、それを認めたくない、人に指摘されたくないから
強がったり、取り繕ったりされるのです。
なぜなら、自分は親であり、かっては一家の大黒柱であったからです。
だから、その思いを傷つけることのないように、
「紙パンツをはく」この決断を、ご自身でしていただいてください。
「仕方ないね。いつものパンツがないから、これでも履いておこうかね。」と。
なりますから。
人は認知症になっても、過去のプライドはずっと持ち続けています。
私たち介護する者は、そのプライドを認めながら心の声を聴き、
そのプライドを守り続けていくことこそが、
その人らしい生き方をみいだすことになります。
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