脳出血で全身麻痺のフミさんの介護

脳出血で全身麻痺のフミさんの介護

いつもお読み頂きありがとうございます。


午後 私が ボーと空を見ていると

その横で フミさんも一緒に 空を見ていてくれてます。


そのフミさん 1年以上前に 脳出血で死の淵をさ迷い

やがて ご家族の祈りは届き 目を覚まされたのですが・・・

全身 ほとんど麻痺同然

座ることも 話す事も 笑うことも 出来なくなっていました。


そんな 状態のフミさん そのあと いくつかの病院を転々とし

私達の施設にこられたのは 発症から1年経過した昨年の秋でした。


フミさんもご主人も まだ60代

まだまだお若いお二人を襲った悲劇

でも ご主人はあきらめていません。


施設主任に紹介されて 私がご主人とお会いすると

まず 出た言葉は

「いずれ 家に連れて帰りたいんです。

おトイレだけでも 自分でできるようになってほしい。

家内を自宅で看ていきたい。」と


定年を迎え 時間に余裕が出てきて

出来れば二人で旅行をと思っていたご主人

与えられたのは 旅行とは程遠い 二人の時間

でも ご主人は それでも幸せだと思っておいでます。

「家内と過ごせる時間があるのなら なんでもします。」


その言葉を聞き 私のリハビリ魂にも火がつきました。


今は フミさん 椅子にもたれる事もなく 一人で座れます。

話しかけると うなずき 時々声を出して笑います。

何よりも かすかに動かす事ができるようになった左足で

車椅子を漕ぐ練習までできるようになったのです。

 

その時思いました。

諦めていたのは フミさんやご主人ではなく

関わってきた 周囲の人達だったのだと。


フミさん 空が大好きです。

だから 空を見上げたい一心で リハビリ頑張っていたのです。

そんなフミさんに 「フミさん 空が好きなんですね」と私が言うと

涙を流して 小さくうなずきます。

でも 今は フミさんが 私を支えてくれてます。


二人で見る窓からの空

さっきまで降っていた雪が 一休みしているような

そんな 束の間の静かな雪空


どんよりした雲からこぼれる 小さな光は

今 暗く重く のしかかった私の心を

フミさんと一緒に 持ち上げてくれているような

そんな優しさと温かさを感じています。

 



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18 Responses to “脳出血で全身麻痺のフミさんの介護”

  1. 花水季 より:

    これから二人で静かに老後を楽しみたいと思われてた矢先まだ60台の若さで
    お気の毒ですね
    でもご主人の
    そのお気持ちがフミさんを スタッフを立ち上がらせたんですね
    車椅子を押しながら幸せそうなお顔をされてるご主人の姿が浮かんで来るようです
    不可能を可能にするのは愛情なんですね

  2. 介護ママ より:

    >花水季さん
    ありがとうございます。不可能を可能にする」そうですね、それこそが、愛情そのものなんでしょうね。

  3. 私の行ってる 高齢者住宅の 利用者さん 高齢の人がおおい リハビリをすれば 動けるのに と感じる人が 多い 私は医療的に見てないけど 言葉がけでも 動けそうなのに と感じることがあります 私は事務では 勤まらないと判断を受けましたが いまだに私に出来ることはないか 模索中です でもこの二ヶ月間 勉強に成りました これからは どうすればいいか?と 60歳のうちに (後3ヶ月)就職したいですが 介護のことは出来るようになったように思い でも 入浴の介護が する機会がなくて 心配です この2日間考えましたが 私でも出来る仕事を 気長に探しますか? と 今思ってます 資格を持っていても 歳をとるとね・・・・・・!利用者さんとの同じ目線が大切と思います。私が書くのもおかしいけど 介護ママの介護の世界 関心させられます。それに勉強に成ります。

  4. 介護ママ より:

    >おばちゃんさん
    ありがとうございます。言葉かけだけでも変わる方がいるのは、このフミさんで思いました。介護の仕事は毎日が勉強ですね。本を読んだり、人の話を聞く事が何よりも大切な事だと思います。

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