自分が子供に返った瞬間
お年寄りだからと、侮ってはいけない。
認知症だからと、侮ってはいけない。
戦争を潜り抜け、震災を潜り抜けた人には
底知れず大きなエネルギーを秘めていることがある。
それは、過去の記憶が消え、自分の存在がわからなくなっても、
人間という人の集団の中で、
必死に生き抜き、たどり着いた今を知っているから。
何度教えても覚えられない若い職員。
同じ失敗ばかり繰り返す。
社会は「ゆとり教育の弊害」等と、社会のせいにしている。
たくさんのスタッフを育ててきた自分が、
今 自己嫌悪に陥りそうになっていた時。
あるおばあさんが教えてくれたひとこと。
「せんせい、ほめなさい。どんなことでもいいから、ほめなさい。
おだてるのではないのです。ほめるのです。」と
戦火の中、体にかかった火の粉を振り払い、
今の時間を作ってきた人の、
的確なアドバイス。
平穏な生活の中で、人と向き合う事を安易に考えていた 自分への戒めの言葉。
深く深く、私の心に響きました。
介護という世界で、自分が子供に帰っ瞬間でした。
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