認知症で忘れられた名前
いつもの認知症講座
そして いつもの顔触れのはずが 一人足りません
「ケイコさん 忙しいのかな」と思っていると
講座終了後 トキコさんが私の所にやってきました。
それも さっきまでの明るい顔とは反対に
神妙な面持ちです。
「何か あるな」と思っていると
「せんせい いつも一緒にきていたケイコさんなんですが」
そういえばトキコさんとケイコさんは仲良しで
いつもお二人で参加されてました。
今日はトキコさん一人です。
「最近ケイコさん変なんです。
いえ その前から少しづつ変だと思ってたんです。
最近 私との約束をよく忘れるんです。
今日も 心配だから 前の日にわざわざ電話したのに
朝 お迎えに行くと『あれ~ どうしたの。』だって
いえ、それだけじゃないんです。
娘さんに私の名前を言おうとしても
忘れたようで 私の名前が出てこないんです。
あんなに仲良くして いつも一緒だったのに」
トキコさん 相当ショックなようです。
「ケイコさん 認知症でしょうか?」
ストレートな質問に 私は 少し躊躇しながら
「はっきりとはいえませんが、
やはり 専門医に見て頂くのがいいですよ」と
返すのが精一杯。
でも トキコさん ホントは
ケイコさんが 認知症になった事がショックなんじゃないんです。
自分の名前を忘れられた事がショックなんです。
たとえ記憶が薄らいでも
自分たちの楽しい時間だけは
きっと 残ってるだろうって 信じてたから
認知症は
当事者の方と同じ位
一緒に歩んできた人も悲しませるんだと
トキコさんの目元に隠れた幻をみながら 思いました。
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どうご返答を返していいのか言葉になりませんでした…ごめんなさい…
>カメですが(・_・)さん
ありがとうございます。切なすぎて言葉がないのです。