認知症のおばあちゃんへの虐待

認知症のおばあちゃんへの虐待

 

今日は 私自身理解できない もう一人の息子さんのお話をしましょう。


ハルコさんは まだ70代の若いおばあちゃんです。

でも 病気で歩くこともフラフラで

会話も十分にはできません。

そんな ハルコさんですが いつも笑顔で ニコニコ笑ってます。

時には 大きな声を出して 手を叩いて 笑うこともあります。


そんな ハルコさん ホントはこの笑顔や笑い声も病気からきているようです。

訳もなく笑い出したり 声をあげたり

支離滅裂な言葉を 一生懸命周りの人に話しかけたり


こちらの言う事を 全く理解できず 

何を話してるかも わからない言葉


息子さんご家族の疲労はピークになったのです。

そして それと並行するように ハルコさんの体に 異変が出てきました。


入浴時に発見される 洋服下のアザ

腕に残る 爪痕 そして 脱水が予測される 乾いた皮膚


あきらかに ご家族の「虐待」跡です。

しかし ご家族は 「覚えがない」の一点張り

市や県に報告しても 中まで介入してくれず

私達は 立ちいる事の出来ない 限界 を感じながら

悶々として日々を送ってました。


そんなある日 ハルコさん 階段から転落して

しばらく デイケアをお休みされるとケアマネから連絡があったのです。

お休みの間

「ご飯は食べているだろうか」

「看病されているだろうか」と心配していると

息子さん ハルコさんをつれてお昼近くに 突然 来所されたのです。


「元気なので連れてきました」

「えっ?!」 でも ホントに元気そうです。

そして その横で

「かあさん 良かったな。みなさん心配してくれてたね」

と優しい笑顔で ハルコさんに話しかけられます。


昼ごはんがハルコさんの前に出されると

「かあさん 美味しいご飯や。残さず食べろよな」


私が想像していた息子さんとは別人の 優しく母思いの男性

驚いて 佇んでいる私の元に 介護スタッフが耳打ちします

「せんせい この息子さん 豹変するのですよ。

あんなに 優しい顔してるのに

ハルコさんが いうこと聞かないと すごい顔になるんです」と


この時思ったのです。

優しさと 怖さは 紙一重だと

人は ある一線を超えると 人ではなくなるのかもしれないと


でも それは 全ての人ではなく ある一部の人だけなのでしょう。


そして 「その一部の人がゼロになるように 私達にできる事は なんなんだろう」と

考えさせられた ハルコさん 親子でした。



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12 Responses to “認知症のおばあちゃんへの虐待”

  1. このようなケースは自分のところでも
    ありますね。思い出します。
    「虐待」という認識はないですよね。
    きっと。
    そして、二面性がある方っていうのも
    いらっしゃいますね。
    介護以外にも色々な悩みがあったりするのかな
    と感じますね。
    ホント共感できる記事でした。

  2. 介護ママ より:

    >岡本大輔@生活相談員(社会福祉士)兼介護支援専門員さん
    いつもありがとうございます。初めから虐待を意識している人なんていないのですよね。表面だけの判断でご家族を見てはいけない事が、このブログを通して感じました。もっと、深いご家族の心の声をきいていきたいです。

  3. ヒツジ より:

    母の施設には時々「息子にたたかれた」「でてけ」と言われたと叫ぶおばあちゃまがいらっしゃいます。
    母も可愛がってる孫に叩かれ顔を腫らした事があります。
    施設でも虐待を一度はやった事があるという介護士さんは何人かいらっしゃるそうです(北大調べ)
    一人介護は危険です。GHですら夜は一人。
    地震災害が続いたので ますます老人への国への対応が遅れてくるのではと懸念しています。

  4. 介護ママ より:

    >ヒツジさん
    ホントにそうです。よく、仕事だから介護は出来ると言われますが、違うのです。複数の目でみてるから出来るのです。一人の目では、自分の気持ちを保つだけで精一杯なんですよね。国を挙げて高齢者問題を話し合ってほしいです。

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