車椅子症候群のリハビリ 歩いてないのに歩いてる

ヨシオさんは95歳の上品で知的なおじいさんです。


地元では 有名会社の元専務さん

でも お子さんがいなく 奥様にも先立たれ

お世話をしてるのは 90才を超えた妹さん

 

献身的に介護をされていた奥様を 

2年前に亡くされてからは めっきり元気が亡くなり

ひょんなことから転倒 手術をしたのが災いとなったのでしょう

それからは 車椅子生活になりました。


ヨシオさんの車椅子生活は 例外なく「車椅子症候群」が生じました。

両下肢 特に膝下からは パンパンに腫れ

下肢の全ての関節は 固まる寸前

ご自分でご自分の足を 動かす事はできず 

私が1日1回 他動でほぐすように 動かしてます。

これをリハビリではROM(関節可動域)訓練といいます。


でも 固くて 腫れた足を動かすのですから

痛みは 中々なものです。

ヨシオさん 「いたくないぞ~ いたくないぞ~」と

目を閉じて 自分に言い聞かすように グッと こらえてます。


しかし 回数を重ねると 固かった関節も 段々柔らかくなり

今では 「なんか 気持ちいいな~。まるで 歩いてるみたいや」と

嬉しい コメントまでされます。


そこで 考えました!

「じゃ ヨシオさん 今から 近所のドンキホーテに行きますね。」

と 歩いているみたいとの言葉を借りて

ただの ROM訓練ではなく

歩いた気持ちでのROM訓練にしてみました。


「今 線路を渡ります。横断歩道です。

ヨシオさん 手を挙げて下さいね。」と私が言うと

ヨシオさん ちゃんと 手を挙げます。

右・左と首を振り 横断歩道を歩いてる様子を再現

「さ~ ! ドンキホーテまで到着です」と私が言うと


隣で見ていた カズエおばあさんも 一緒に喜んで下さいます。


子供騙しに見える この機能訓練


人生に 生きがいと 楽しみを失った おじいさんに

ほんの 少し 昔の思い出を呼び覚まし

一緒に 思い出の道を辿った

とても 温かく 切ない 散歩模様


ヨシオさんは 一緒に歩いた(?)私に 何度も何度も

「ありがとう ありがとう」を繰り返し

まるで 夢を覚まさないように

ずっと  目を閉じたまま お礼を言い続けて下さいました。

外は強い雨

でも 私とヨシオさんの瞼の中は

とても穏やかな 日本晴れでした。



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8 Responses to “車椅子症候群のリハビリ 歩いてないのに歩いてる”

  1. 介護ママ より:

    >しのっちさん
    ありがとうございます。お一人お一人の気持ちを大切にしたいと思ってます。嬉しいコメントありがとうございます。

  2. 介護ママ より:

    >す~さん
    ありがとうございます。嬉しいです。

  3. 難しいものです 介護を受ける人に 最善策と 思って 家族の方に話すと 受け入れが中々ない それって自分の為? と 思われます ひょつとして 年金の 為と? 介護を受ける人の表情が少し あきらめてるような 感じを受け取ります それって私のうがった見方?

  4. 介護ママ より:

    >おばちゃんさん
    ありますね。特に、サービス料や種類を決めるとき、ご家族が利用症を計算しながら決めている様子をみると、「商品じゃないんだ」と言いたくなりますね。介護保険の発生原点を見つめなおしてほしいと思う時があります。

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