作業療法士の現場から、飴玉のプレゼント
今日は ほんのり 嬉しいお話をしましょう。
スタッフが利用者さんから
気持ちのお品をいただくことは
職場の規則で 禁じられています。
でも 私 どうしても断れないおばあちゃんがいたのです。
大腿骨頚部骨折で 入院してきた カズコおばあちゃん
手術前から せん妄が出現し、
その後 一気に認知症が進んでしまいました。
入院中は 妄想が強い中 リハビリ頑張って
歩行器で自力歩行ができるようになりました。
退院してからは 精神症状が安定したため
デイケアでのリハビリは 順調に進むことが出来ました。
すぐに シルバーカー歩行で自立
まもなく 見守りながらの杖自力歩行
カズコおばあちゃん 歩ける事が とても嬉しかったようで
そんなある日
「せんせい! ちょっと ちょっと」と
私を手招きして呼びます。
なんだろ と思って近づくと
おもむろに ポケットから飴玉と駄菓子を
パラパラと出したのです。
「先生には ホントにお世話になって
こんなもんしかないけど 私からの気持ちやから 食べて。」
と差し出してくれたのです。
少々 不可思議なこの事態を 私はどう解釈したらいいか
困惑し ためらっていると
「先生 これ私の 昨日のおやつ。
先生に上げようと思って食べんと 持ってきたんや」と
詳しく聞いてみると
カズコおばあちゃんは お金を手元に持っていないため
おやつは お孫さんのおやつを
おすそ分けして貰っているそうです。
だから この駄菓子が
おばちゃんのおやつだったのです。
おばあちゃん 私にお礼に何かしたいと 思っていたけど
お金もないし 買いにも行けないし で
自分のおやつを あげようと 思いたったようです。
おばあちゃんにとって 楽しみにしてるおやつを
私は 貰っていいものか 躊躇してると
おばあちゃん 私の手の中に
包み込むように お菓子を入れ
「先生 いつもありがとう」って
私の手をギュッと 握ってくれました。
不思議ですね。
自分がお世話してる 寄り添ってるって思ってたのに
いつのまにか 私が寄り添われていたのです。
そんな優しさに気付いた 嬉しい出来事でした。
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