福祉施設は見捨てられた親が入るところではないですよ!
昨夜、私のいる施設で
少し遅れた お月見会をしました。
お月様はあいにく 雲に隠れていましたが
秋の肌寒さと職員手作りのお月見団子は
季節を忘れた 入居者さんには格別のようでした。
私もボランティアでお手伝いにいきました。
慣れぬ手つきで 配膳の手伝いをしていると
後ろから「せんせ~い」と
聞き覚えのある声が聞こえてきたのです。
いつもは病衣をきているハルコおばあちゃんが
今宵は かわいいブラウス姿で、
うっすらお化粧して座っています。
「あら、○○さん いつ来られたのですか」
と私が尋ねると
「今日の午後にこちらにきたんですよ」
満面の笑みで答えられます。
「今日がお月見会って、ご存知だったのですか」
「いいえ、偶然です。」
ハルコおばあさん、お月様のようにニコニコ顔です。
ホントはとっても不安だったんですよ。
お友達はみんな『老人ホームに入って、かわいそう』って
哀れむし。
でも、今日来てみて 全然そうじゃないから 安心しました」
「ハルコさん 今は老人ホームじゃないんですよ。
福祉施設っていって、介護のプロの方の力を借りて
自分らしく生活する所なんですよ」
ハルコおばあさん 私の説明が分かったのでしょうか。
ちょっと不安です。
でも、ニコニコしてるから まあいいでしょう。
ハルコおばあさんのお話は まだまだ続きます。
「私ね、初めは 知らない人ばかりで不安だったけど
先生の顔見て 安心したわ。
でも 先生なんでここにいるんですか。」
「ハルコさんのように 知らない所来て
不安がいっぱいにならないように
応援にきているんですよ。」
私も負けないくらいの 笑顔で答えます。
「いや~ん、うまいこと言って。
でも、嬉しい、又ここで会えて嬉しい」
ハルコおばあさん 目がなくなるくらい ニコニコ笑って
いつものように 私の手を握ってくれてます。
施設に入る事が決まってから
姨捨山を想像し
周囲から哀れみと同情を買っていたハルコおばあちゃん
「私ね、みんなに 言ってやるの。
ここは 最高にいいところだって。
昔と 全然違うのよって。 私 とっても幸せだって。」
いたずらっぽく笑っている ハルコおばあさん
花柄のブラウスとってもお似合いですよ。
周囲の哀れみを払拭するように、精一杯おしゃれして 向かった先は
実は 優しい人たちに囲まれた小さな施設だったんですよね。
お月見団子を頬張りながら、再会を喜ぶハルコおばあちゃん
でも ホントは 昨日病院で会ったばかりなんですけどね・・
なにはともあれ
ハルコおばあちゃん ようこそいらっしゃいませ。
これからの時間 お友達が羨ましがるくらいに
楽しく、大切に過ごしましょうね。
だって ここは 介護のプロがいる
福祉施設なのですから。
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10年前ある新しい介護施設に研修で行った時は職員の方は忙しいから 自分の仕事をこなすのに精一杯な感じでした
今は変わってきたのですね
プロの介護者が沢山育ってるんですね
>花水季さん
はい、忙しさは同じでも、心意気は変わりつつあると思いますよ。