介護現場の見えない勲章
親を介護する事に、形式や教科書はありません。
だから、いつの時代も、介護する者は悩み苦しんでいるのです。
もし、「介護の形」に決まったものがあるとしたら、
それは、「親を思うこの気持ち」ただそれだけではないでしょうか。
昔は、嫁が姑の世話をすることが当然のように受け継がれていました。
そして、それができなくなった時、
「姨捨山」という悲しい悲劇がうまれていたのかもしれません。
今、嫁が姑の介護に専念できなくなった時、
独身の息子の元に引き取られる親御さんが、
少しずつですが、まるで静かに雪が積もるように増えてきています。
それが、いいか悪いかはわかりません。
でも、独身でも仕事があります。
親の介護が回ってきたとき、
断腸の思いで仕事を辞められる方もいます。
こんな時、私達現場の無力を、ひしひしと感じます。
今日も、この広い空の下で、息子と母、息子と父が向き合い、
混沌とした明日を迎えようとしています。
私達現場の人間が出来ることはどこまでなのかはわかりません。
でも、絶対に助けを求めに来た親子を全力で守りたい、
その変わらぬ気持が、
くじけそうな私達現場の人間の支えにになっていることは
間違いないと思います。
そして、この気持ちこそが介護現場で頑張っている人たちの、
見えない勲章だと私は思います。
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