交通事故で娘を失ったおばあさんの大きな愛

交通事故で娘を失ったおばあさんの大きな愛


私の地元では、お雛様は旧暦の4月3日まで

飾るお宅が まだ残っています。


その名残で 施設のお部屋でも 折り紙で作ったお雛様に

菱餅を飾っている おばあさんがおいでます。


そのお雛様の横に 

「ナミアムダブツ」と漢字で書かれた屏風が 立ててあります。

そして その後ろには

セピア色の 若い女性の写真が はばかるように

置いてあります。

 


「娘さんですか?」と私が遠慮しながら聞くと

おばあさん 静かに「はい、交通事故で亡くなりました。」

と答えました。


何と私は 無神経な事を聞いたのかと

申し訳なさで 言葉を失っていると


「せんせい、気にしないでください。

この子はね 高校を卒業して 間もなくに事故に遭ってしまったんです。

成人式は迎えることなく。」


「大変だったのですね、ご苦労されたのですね」

と私が話すと

「いいえ、仕方ないです。しばらくは何もできませんでした。

でもね、相手の方も若い運転手さんで 

何度も何度も泣きながら謝りに来て

その方を見ていると 辛いのは自分だけじゃないって思ったんですよ。

事故はね どちらも苦しむんですよ。」


おばあさん ご自分の娘さんを事故で亡くされ

苦しみのどん底のはずなのに

どうやって 加害者である相手を許す事ができたのでしょう。

私だったら どうなるか わかりません。


でも、言える事はひとつあります。

おばあさんのご主人と息子さんが

全身全霊でおばあさんを支えた事です。


今でも80歳後半の高齢な体で

毎日毎日 おばあさんの施設に顔を見にくる 優しいおじいさんの眼差し

全ての苦しみを呑みほし 包み込んだ

強さと優しさを感じます。


人は どんなに苦しく辛くても

周囲の方の大きな愛と支えで

乗り越えられる事が出来るんだな~

と おばあさんを見ていて 思いました。



介護でお悩みの方へ

介護ママの伝えたい介護のツボは、
介護でお悩みの方のお力になりたいと考えています。

どうしたらいいか分からないなどお悩みのことがあれば、
こちらの連絡先にお気軽にご相談ください。

可能な限りお力添えさせていただきます。


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8 Responses to “交通事故で娘を失ったおばあさんの大きな愛”

  1. 介護ママ より:

    >介護士の花井さん
    いつもありがとうございます。愛、特に家族の愛は現実の想像をはるかに超えた強いものだと思い知らされたご家族でした。

  2. 介護ママ より:

    >リンパケアリスト☆ぶにゅさん
    こんんいちわ、生きていると辛い事の方が多い~から、周囲の優しさが身にしみてくると思います。頑張ってください。

  3. 介護ママ より:

    >ミイ☆さん
    ありがとうございます。このご夫婦はそんな悲しみを感じさせない優しさと、暖かさを持っている方達です。私の事も、いつも心配して下さる大きな愛を感じます。

  4. 介護ママ より:

    >おばちゃんさん
    よかったです、ご自分に会った事、人から求められる事が出来る生き方って、素晴らしいです。頑張ってください。きっと、努力は形になりますから。

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