人の死には慣れません
何度 人の死に出くわしても
こればかりは 慣れることはありません。
思い出はそれぞれ違い 感情も違うのですから。
言葉のない世界で過ごしてきた ヒサノおばあちゃん
最後に デイケアに来られた時は すでにグッタリしてました。
それでも スタッフにリハビリ室まで連れてきてもらい
私の顔を見ると そっと うちわを仰ぐように 手招きします。
ヒサノさんの顔に私の顔を近ずけると
痩せた指が 私の白衣をつまみ 一瞬 口を開きます。
言葉のない声が 何かを言いたそうで・・・
いえ 言葉のない世界で生きてきたヒサノさんには
最後まで 言葉は要らなかったのかもしれません。
その代わり 静かに流れる涙が 消えようとしている自分の命の余韻を
そっと奏でているようでした。
私は 「こんなに弱った方にリハビリはできません。」と
まもなくして デイケア室に帰っていただきました。
ヒサノさんと過ごした最後の時間は5分足らず
でも 私も一緒に 世界中の音が遮断され
全ての言葉が 頭の中から消え
ただ ひたすら 目だけで語り合った お別れのひと時でした。
月曜日の朝 利用名簿に名前が記載されているのを確認した 30分後
緊張した表情で デイケアスタッフが 私に耳打ちします。
「ヒサノさん 今朝 お亡くなりになりました」
分かっていても 悲しいです。
人の死とは 何回経験しても 辛いものです。
きっと これだけは 絶対 慣れる事はできないでしょう。
プロなのに どうしても 乗り越えられない現実です。
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タグ:介護
乗り越えられなくてもいいんだと思います。
>丸 長朗さん
はい、ありがとうございます。
数回ですが経験しました。
この仕事をしていたら避けることはできません。
いつまでたってもできないこと。
お気持ちよく分かります。
>横浜☆介護予防セラピストさん
ありがとうございます。耐えきれない現実と向きあわなければならないのですね。