認知症の父と親切な運転手さん

お盆も終わり、いつものように町並みが流れています。

私の地元は７月にお墓参り

グループホームにいる父を迎えに行き

主人と3人で　亡き母のお墓参りに行ってきました。

「お父さん　お母さんの命日　いつか覚えてる？」

苦笑いしながら「覚えとらんな～」と

「あら～。６月２４日よ。

今日はお盆で　お墓参りにいくからね」と

行く道すがら　父とつたない会話を交わしてながら

母の思い出を辿っていました。

お参りの後　３人でご飯を食べ　

父をグループホームまで送っていくと

別れ際に　父が私に言ったのです。

「あんなに親切な運転手さんは　なかなかいないからね。

おまえからも　丁寧にお礼を言っといてな。」と

運転手さん？？

私の主人のことです。

この日は　運転手さんになって

父を色々と案内してくれたのですが・・・

「お父さん～

運転手さんじゃないよ～。　私の主人だよ～」と

ポンと肩をたたいて　笑っちゃいました。

お父さん　少しづつ　身内を忘れてきているのですね。

でも　忘れないように必死で　縁をつないでるんです。

そんな　けなげな父に

「長生きしてくれて　ありがとう」と

そっと　心の中で　つぶやきました。