認知症介護に疲れた方へ、心の扉の開き方
認知症の方々は、皆 同じ性格や生い立ちではなく、
人それぞれの思いと個性をお持ちです。
まして 自分の気持ちを上手に伝えることが
苦手な方も少なくありません。
そんな方々と分かりあえるには
なによりも、相手の痛みを知ることです。
90歳の やんちゃなおばあさん。
少々粗い言葉と大きな声が特徴です。
ある日「うち 帰る コレ(車いす)押して」と
叫んでいます。
おやつ時の忙しい時間
スタッフ1人がつきっきりで
「もう少しでバスで送ります」
「お待ち下さい」
と説得中!
中々おさまりません。
このおばあさん 帰りたいには訳があるのですよ。
数か月前, お湯をこぼして
右太ももに大きな火傷を負いました。
入院して完治したのですが、たまに痛みます。
でも 火傷をしたことは,もう覚えていません。
どこが痛いのかも うまく伝えられません。
とにかく じっとしてると どこかが痛いのです。
痛くて 座ってられないから
家でゴロンと寝ていたくなったのです。
気づいて下さい、心の内を。
座っている車いすの右斜め前に跪き
痛い足の膝から,太ももをそっと撫でてください。
「ここ 痛いよね」
暖かい,ふんわりとした感触を伝えてください。
なんだか,少し気持ちがいいみたいです。
おばあさん、笑顔になってきました。
「ありがとう」「ありがとう」 繰り返して言ってくれます。
痛みを忘れた瞬間なんでしょうか
言葉でうまく痛みを伝えられない認知症の方は、
時にはパニック状態になります。
大きな声で叫ばれていると
こっちも パニックになりますよね。
でも 気づいて下さい。この方の心の内を。
まずは 相手の痛みを知ることから 始めます。
過去の怪我や家庭の様子を思い出してみてください。
なにか ヒント がありますよ。
そして
「今日も痛い足で 頑張ってきてくれて ありがとう」
と感謝の気持ちで 話しかけてください。
これが「ありがとう療法」なんです。
介護の現場で苦しんでいる多くのみなさん
一人で苦しまないで下さい。
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