小脳変性症の元コックさん
小脳変性症に冒されたヨシオおじいさん
今では歩くこともままならなくなりました。
デイサービスのお帰りの時間
帰りの車まで 私はおじいさんの両手をもち
後ろ向きになって ゆっくりと誘導していました。
ロボットのように ぎこちなく前へ出す足取り
接地する足の裏が フラフラで今にも倒れそう
それでも 私の手をギュッと握りしめ 必死で歩こうとします。
普通だったら 諦めて 車椅子をご希望されますが
「大丈夫ですか」との私の問いかけに
「だ~い~じょ~ぶ」と震える声で答えられます。
歩きながら おじいさんは ゆっくり話されます。
「1年~前は~ バイクに乗ってたのにな~。
でも よく 転んで 頭打って こうなったのかな~」と
「ヨシオさん バイクに乗ってたんですか?
どちらまで行かれてたんですか」との私の問いに
ヨシオさん 顔をあげて答えます。
「わしは~○○会館の傍の洋食屋で コックを しとった。」と
震える声で話されます。
「ヨシオさん コックさんなんですか。素敵です。
あのお店美味しくて有名ですよね。
ヨシオさんのお店だったんですか」
すると ヨシオさん ニコニコです。
「でもな~ こんなになって もうダメや。
わしの料理を みんなが 喜んでたべてくれたんに。
みんなに 申し訳ない」と
ヨシオさんのお店は ドミグラスソースの美味しい 有名なお店です。
小さくても 温かいヨシオさんのお人柄そのもののお店
たくさんの常連さんと 優しいヨシオさんの笑顔
目に浮かびます。
だから ヨシオさんは辛いのです。
友達のようにしていたお客さんをおいて
病気になった自分が 申し訳なくて・・・
「今でも お客さんが待ってるんや」
車に乗る時 ヨシオさんの放ったこの一言
見送る私の胸に ズシリと沁み込みました。
もし かなうなら
世界中のお節介をかき集めて
ヨシオさんを もう一度 あの厨房に立たせてあげたい
そんな かなわぬ思いを秘めながら
私は 両手を思いっきり振って
ガラス越しの小さな後ろ姿をずっと見送りました。
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先日は
お忙しい中、お返事いただきありがとうございました。
施設側の
命を預かっているという基本的な事など
私も職場で今一度見直そうと、介護ママさんにお手紙をいただき改めて感じました。
料理人のヨシオさん♪
いつまでも、お客様の事を一番に考えてらして、心暖まりました♪
私もヨシオさんのように、人を思う気持ちを大切にしていきたいです♪
>まあちゃんさん
こちらこそ、ありがとうございます。人を思う気持ちですね、私も大切にしたいです。