雪が笑ってます

連日の雪模様で、お迎えバスは大わらわ

うちのデイケアの中型バス（小型?）も大変でした

土曜日の朝9時前、雪すかしをしてあるお宅はまばらです

向こうには　目的となる　利用者さんのお宅は見えるのですが

途中は　雪の段々道

それでも　待っている人がいるから

何とか　走らなければなりません。

チェーンは付けてあるし　運転手はプロ　補助スタッフもいるから

用心しながら　車は雪の中　進みます。

しばらく進んでから　突然　

ブーンブーンとタイヤの空回りの音が響きました。

川沿いの道と　吹きつける雪

昨夜から降り積もった雪は

まるで後ろから車のタイヤを引っ張るように

雪の穴へと車を引き寄せ始めたのです。

運転手さんはすぐに車から降り

スコッパーで雪を救い出し　脱出を図ります

エンジン音が響く　車の中

ほとんど　手足を動かせないキョウコさんは

職員よりも落ち着いて　車椅子の中で前を見ています

アルツハイマーが進行したシンコさん

車が止まったから到着したと思ったのでしょう

職員の静止も聞かず　何度となくシートベルトをはずし

扉をあけようとします

まだ寝ぼけまなこのウメさん

外の賑やかしさで　目を覚ましました。

連絡を受けた病院は　応援体制をとるのに

準備でドタバタ

15分ほどして　「車動きました」との連絡

それから　20分あまりして　車は無事に帰ってきました

何事もなかったように　3人の利用者さんは　ニコニコとお車から降りてきます

「おはようございます。怖い思いさせてごめんなさい」と私が言うと

「え？何？何かあったの？」とシンコさんとウメさん

穏やかなキョウコさんは「何の事ですか」と　笑顔で

私達に気を使って下さいます。

お迎えに行けなかった利用者さん達は別の車で　同時到着

今日のデイケアは　いつもよりも30分遅れてのスタート

色々あったのに　何事もない位穏やかなフロアー

スタッフも疲れを見せず

利用者さんも　落ち着いて・・

そんな私達を　窓の雪は　静かに笑って見ています。