ご主人が亡くなってもいつもと変わらずに

タマコおばあさんは　挨拶代わりに

頭をコツンとたたくのです。

タマコおばあさんの　ご主人のチョウサクさん

私のリハビリ担当利用者さんでした。

ちょっとパーキンソンの症状が入っていて

歩く姿はぎこちないのです。

表情はいつも無表情なんですが

時折　ニンマリと笑う　その笑顔が

たまらなく　可愛く　優しさがにじみ出ています。

リハビリが大好きで　連休うでお休みが続くと

｢リハビリせんと　体がダメになる」と

いつもよりも念入りに体操されるほどです。

でも　そんな　楽しい時間に訪れた　突然の訃報

｢朝　お越しに行ったら　すでに亡くなっていたそうです。」と

当直の看護師さんから聞きました。

タマコおばあさん　そんなことは　露ともしらず

お葬式の時も　バタバタしてるからって

ショートスティにお泊りして　います。

ようやく落ち着いて　自宅に帰っても

チョーサクさんがいないことには気付きません。

私が週に１度行く　デイサービスのフロアーに

車椅子のもたれるように　タマコおばあさん　座ってます。

｢こんにちわ」と私が顔を近づけると

いつもと変わらず　頭をペシッと叩かれます。

いつもと同じ　挨拶と　つじつまの合わない会話

チョウーサクさんが　亡くなった事

傍にいない事も　知らないまま

いつもと同じ１日を過ごされてました。