そのぬくもりを忘れない

うつ病で来所された イクさんは


往診にきている主治医からの紹介でおいでましたが

ほとんど寝たきり状態でした。

 


担当の若い理学療法士のパワーに勇気つけられ

みるみる 元気になっていったのです。


今では 平行棒の中は歩けるようになったし

椅子にも寄りかからずに座っていられます。

お食事も お箸を使って 食べられます。


笑顔もあふれる位こぼれ 冗談も言い合える


何もかもが 順調にいってるように思えました。


ほんの数日前までは・・・


桜がやっと 満開になったその日

ケアマネから電話がありました。


「イクさん特養に入所がきまりました。」それからまもなく ご家族から

「母はなにも知りませんので 何も言わないでください」と


今日 そのお別れの日が来ました。


イクさんは 何も知りません。


いつものように 無邪気な笑顔で

あがりきらない両手を 風車のように 振ってまわして

「またね~」と

私達に手を振ったのです。


ホントは もう会えないのに

これが 最後のお別れなのに

私達は「さよなら」を言えず

ウソをついたまま お別れになったのです。


もしかしたら イクさんは 又うつ病の世界に戻るかもしれません。


でも 私達と過ごした半年は 消える事がない事を信じ


サヨナラの代わりに 

強く強く 握手をしました。


このぬくもりを忘れないために





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2 Responses to “そのぬくもりを忘れない”

  1. より:

    せつないです。
    介護は される側が大事か 家族側が大事なのか…。
    玉子が先か にわとりが先か と 同じぐらい答えが分かりません。

  2. 介護ママ より:

    >雪さん
    そうなんです。家族の今を守るためか、高齢者の今を守る事が大切か、わからなくなることがあります。

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