作業療法士の仕事、安心のための一工夫
認知症の方で 不安なことがあると そればかり気になり
何回も聞いてくる方って おいでますよね、
私のいる デイケアでもこのような方がおいでます。
ぬりえをしている最中 突然
「財布 どこやったかね?」
とぬりえの手を止め 聞いてきます。
そして 1度気になると
1分と 経たないうちに 同じ事を繰り返し
際限なく聞いてきます。
きっと 気になると
たまらなく 不安になるのでしょう。
「すまん」と必ず断り文句が入るのも
この方のお人柄です。
でも どんなに「すまん」と言われても
スタッフにとっては
同じことを聞かれる事も
同じ説明をする事も
ちょっと うんざりですよね。
話しがすこし 飛びますが
「博士の愛した数式」 という映画をご存じですか?
(タイトルが間違っていたらごめんなさい)
健忘症の博士が
大事なことをすぐに忘れるから
洋服に張り付けているのです。
博士もこの方も
自分が物忘れが人並み以上であることを
自覚しているのです。
だから この方には
1枚ずつ その時の質問の答えを紙に書いて
手元に置いておきます。
幸い 聞いてくる内容は
しばらく 同じであることと
毎回内容が決まっている事です。
「財布は 今日は持ってきていません」
「身体障害者手帳はご自宅です」
「お帰りはバスでお送りします」と
ぬりえの手元に この紙を1枚だけ置いておきます。
途中で聞こうとしても
自分で紙を見て 納得されるのです。
質問内容が別のものになったら
用意してある 別の紙を 出して説明します。
この時 先の紙は片付けます。
何枚も机に並べると 混乱しますからね。
それを 「また~ さっきから繰り返し言ってるでしょ」
と痛いところを つつくような対応はいけません。
できるだけ さりげなく フォローしてあげて下さい。
認知症の人は
自分が出来なくなっていることを
十分 分かっているのです。
でも
なんとか 自分で頑張ろうとしているのです。
なんとか 迷惑をかけないようにしているのです。
そんな 苦労と努力と引け目を
忘れないで下さい。
私達のちょっとした心がけで
安心して過ごせるのなら
多少の手間もおしまない
そんな 介護職になって下さい。
毎日 頑張って来て下さる方々に
「ありがとう」の気持ちを込めて。
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