脳梗塞で失語症になったおじいさんの介護
ようこそ、お読み頂きありがとうございます。
今日は失語症のおじいさんのお話をしましょう。
タローさんは まだ60代のお若いおじいさんです。
大きな脳梗塞を2年前におこし
歩くことも 喋ることも 言葉を聞き取ることもできなくなりました。
それでも 自分の考えはしっかりお持ちで
記憶力も 保持出来ています。
ただ 自分で自分の体を動かせず
自分の思いを伝えられない
相手と気持ちを交わせない
そんなもどかしさで いつもいつも怒ってばかりいます。
そんなおじいさん デイサービスに行っても 気持ちが通じず
ついつい 大きな声で怖い顔で怒鳴ってしまうから
どこも 続きません。
いくつものデイサービスを転々として
最後の砦のごとく うちの施設に来所されました。
噂どおりの 怖い顔 目つきは睨んでるようで
目が合うと ビクッとしてしまいます。
利用日初日のお風呂は スタッフも要領がわからず
初めは おじいさん 大変な暴れようでした。
他の利用者さんも 小さくなってしまい
もうダメかと思い始めたころ
おじいさん 少しずつ 「うん」「うん」とうなずくようになったのです。
実は うちのスタッフの中で一番年長のおばさんヘルパーさん
奥さんと どこか面影や話し方が似ているようで
このスタッフの介助には 素直に応じてくださるのです。
私達にはわからない 目に見えないテレパシーが
今まで不安で イライラしていたおじいさんの気持ちを
少しづつほぐし くみ取り 時には代弁しているような
そんな 光景に 介護の原点を見たような気がしました。
介護は理屈や言葉を超え
技術や情報を飛び越えて
お互いの信頼関係を築く事があるのだとその時思ったのです。
そして このおばさんヘルパーさん
実は 介護現場で少々自信を無くしかけていたのです。
色々悩んでいたのですが
おじいさんとの出会いで ちょっと自信をもらい
「もう一度 頑張ってみようかな」とファイトが出てきたようです。
結局 私達は介護しているようで
自分たちが利用者さんに助けられ 支えられているのだと
また ひとつ教えられた おじいさんとの出会いでした。
介護でお悩みの方へ
介護ママの伝えたい介護のツボは、介護でお悩みの方のお力になりたいと考えています。
どうしたらいいか分からないなどお悩みのことがあれば、
こちらの連絡先にお気軽にご相談ください。
可能な限りお力添えさせていただきます。
いつも読ませて頂いています。介護って何なんだろう?そう考えて悩んでいましたが、介護ってきっとお互いを支え、助け合うことなんだろうなぁって。利用者様をお手伝いしているだけじゃなく私達も助けられてるんですよね。
>haruさん
ありがとうございます。介護するもの、される者全てがお互い支え合い助け合ってる事が介護だと思います。
[…] 今日は、タローおじいさんのお陰で 元気がでた […]