お守りは大きなズックです
シルバーカーで ゆっくり歩くハツエおばあさん
まもなく93歳を迎えようとされますが
いつも 薄化粧をほどこし 洗いたてのお洋服を身にまとい
とてもきれいなご様子は 年齢を感じさせません。
ハツエさんは 特に悪いところや痛いところはありません
ただ 自然と足腰が弱くなり 歩くのもおぼつかなくなってきています。
だから シルバーカーを押す 足取りも
ゆるやかで 足元をみながら 1歩づつ 歩いてます。
そんなハツエさん いつもは 白いバレーシューズですが
この日は 男物の大きな作業ズックでおいでました。
「ハツエさん ズック変えられたのですか?」と お尋ねすると
「はい、これ おじいちゃんのです。
この間 お部屋をかたずけてたら 見つけて。
私 足元がもたもたしてるから
おじいちゃんに 守ってもらおうと思って・・・」
ハツエさんは 今は 娘さんご夫婦との3人くらし
娘さんご夫婦に迷惑かけないようにと
かっては 2階のお部屋で 老夫婦静かに暮らしておいでました。
おじいさんが 亡くなってからも 気持ちは変わらず
2階のお部屋で 静かに過ごしているのですが
時々 たまらなく 不安になる時があるのです。
そんな時見つけた おじいさんの作業ズック
実は おじいさん このズックをはいて リハビリされてました。
そういえば 長く この仕事をしていると
自然と ご夫婦を順番でリハビリする事がよくあります。
ハツエさんご夫婦もそうです。
おじいさん このズックで 頑張ってお出でました。
「娘にゃ~ 迷惑かけれんな~」といいながら 頑張ってましたね。
亡くなって5年
ハツエさんが 履いてきた お守りの作業ズック
私も一緒に 感傷的になってしまいました。
でもね ハツエさん
サイズの大きいズックは ちょっと 危ないんですよ。
でも パタパタ歩く 子供のような足取りを見ながらも
「危ないから はかないで」なんて 言えませんでした。
ハツエさんが このズックに寄せている思い
痛いほど わかるから
だから 今日は ひっかかって 転ばないように
おじいさんに 変わって 私達が見守りますね。
ただ 今度は やっぱり 自分のズックでいらしてほしいな~
と 思いながら なんて お伝えしようか
まだ 言葉が見つからない 今日1日でした。
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素敵なお話ですね~(*^^*)
感動しました(T-T)
人の心って、ちょっとやそっとじゃわからないですよね…。相手の心を理解して…っていつも心掛けていますが、自分勝手に解釈してしまって決めつけてしまっている自分がいます。
今、知的障しゃ施設で働いています。障害を持っていて話す事ができなくても、ちゃんと心の中を理解できる支援者になりたいといつも思っています!!が…なかなか…。
これからも、勉強させて下さい♪
>みんろんさん
こちらこそ、ありがとうございます。相手の心を理解することは難しいですが、近づけるように、日々努力したいですね。
>介護ママさん
今度は、ハツエおばあさんの話ですか。いつもの靴でなくて、男物のサイズの大きなズック靴、亡くなったおじいちゃんの形見なんだね、それを履いてリハビリにね。う~ん、同感ですね。危ないから自分のズックでいらして欲しいが、なんと声をかけたらよいか、言葉が難しいね。
いつも心の琴線に触れるような話で感動させられます。
>都南 雷太さん
ありがとうございます。いつも思うのは、相手の気持ちを包み込むような言葉お見つける事に、とても至難しています。