ご主人を追って雲の上まで
ご主人と24歳 年の離れていたユキさん
子供さんがいないためでしょうか
仕草も 言葉も ずっと少女のような あどけない方でした。
幼少の頃に 家が貧乏で 奉公に出されたとかで
年頃から 今で言う酒場で働いていました。
父親のぬくもりを知らない ユキさんは
温かくて大きな愛情を 当時のご主人から感じたそうです。
私は かって
90歳を過ぎたご主人のリハビリを 担当していた時がありました。
「うちのやつは 可愛い奴でね。いつもコロコロ笑っているんや
わしとは24 離れているから 長生きしないとな」と
目を細めながら ご自分に言い聞かすように
ユキさんのことを話すご主人
でも 年齢には勝てませんでした。
日に日に 体は弱っていき 入退院をくりかえしながら
それでも頑張っていたのですが
とうとう 94歳で ユキさんを置いて 逝かれました。
それからまもなく 私は
今度はユキさんのリハビリを担当する事になりました。
リハビリをしながら ユキさんが話してくれます。
「今でも 朝、目が覚めて 『お父さん』と 横を向いて 声をかけてしまう」と
そんな ユキさん 3回忌を無事に終えると
急に体力がなくなり ご飯も食べられなくなって
とうとう 自宅で1人倒れていました。
救急車で運ばれましたが 治療のかいもなく
そのまま 帰らぬ人となりました。
いえ 帰って行ったのかもしれません。
ご主人の元に
親の愛情を十分にしらない少女が
始めて見つけた 愛情は
自分の親と変わらぬ 大きな優しさでした。
その優しさを ずっと追い求めて
とうとう 雲の上まで 追っかけて 行ってしまいました。
ユキさん
自分の役目をおえたら
ご主人の傍に行く事を ホントは知っていたのかもしれません。
そんな 奇跡を超えた 偶然を感じた
あたたかなご夫婦との 出会いでした。
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ユキさん、きっと今はもう寂しくないですネ。
ふと自分の将来など思い、切なくなりました。
>Piccoloさん
ありがとうございます。そうですね、自分たちの将来を写しているのかもしれないですね。