アルコール依存症のご主人を支え続けたおばあさん

アルコール依存症のご主人を支え続けたおばあさん

チョコチョコとリハビリに通う

懐かしい おばあさんのお話をしましょう。


もうずいぶん前になります。

私が この世界に入って間もなくの頃です。


ある 気難しそうなおじいさんがデイケアにおいでました。

背はきっと高い方だったのでしょう。

 

でも 両下肢は まるで胡坐(あぐら)をかいているように

交差して固まっています。

 

専門用語では「拘縮(こうしゅく)」といいます。

この変な 足のかたまりが なぜできたか

初めは 謎で仕方ありませんでした。

 

しかし まもなくして その謎が少しずつ 溶けてきました。


おじいさん 実は アル中でした。

停年と同時に お酒におぼれ

毎日 毎日 胡坐をかき 一升瓶をかかえて

空っぽになった心を埋めるように

お酒に明け暮れていたのです。


私の知ってるおじいさんは 無口で おとなしい人です。

でも お酒が入ると 大きな声で暴れ出します。


歩けなくなってからは 

トイレも行かず お酒をのみながら 失禁する毎日


おばあさんの苦労は 怒りと涙の渦で

竜巻のように毎日 襲いかかって来ていました。


でも そんな おじいさんでも 亡くなってからは

いい思い出しかないのでしょうか。

私の顔を見て ニコニコと可愛い笑顔を見せるおばあさん

あんなに 苦労かけられていたのに

「ありがとう」と温かくみつめる瞳は

どこから来るのでしょう。


きっと どんな環境でも おばあさんはおばあさんなりに

精一杯尽くした事が 大きな支えになっているのでしょうね。



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4 Responses to “アルコール依存症のご主人を支え続けたおばあさん”

  1. しのっち より:

    私には・・・できないなぁ(iДi)
    昔の人って
    本当にすばらしいです!
    何もない時代に
    一緒に苦労をされ
    乗り越えてきた伴侶だったんでしょうね
    ステキな学びになりました
    ありがとうございます

  2. 介護ママ より:

    >しのっちさん
    こちらこそありがとうございます。嬉しいです。

  3. うちのオヤジもアル中でした。
    アルツハイマーになって酒を忘れました。
    アルツハイマーと現実のはざまで
    オヤジは もっと酒におぼれました。
    家族はオヤジを避けていたので
    アルツハイマーの発見が遅れました。
    酒をのんで失禁して
    毎日 毎日。
    でも病気と分かって優しくなれました。

  4. 介護ママ より:

    >闇月アキラ ~死ぬまで生きる~さん
    こんにちわ、アル中の方は、ご本人よりもそのご家族の型の方が苦労が多かったと思います。でも、病気と受け止め優しく慣れた事は、共に良かったと思います。ありがとうございます。

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