植物状態の方のリハビリ
植物状態 植物人間 という残酷な言葉
テレビや雑誌の世界でした。
しかし 施設で仕事をするようになり
その現実を目の当たりにして
それでも生きなければならない
生きていてほしいと願うご家族の葛藤を見ることになりました。
92歳のタカコさん
特養の一室に 呼吸だけしているおばあさんがおいでることは
以前から聞いていました。
しかし そのような状態の方にリハビリは やりようがありませんし
目的もみつかりません。
もちろん お声もかかりませんでした。 この間までは・・・
事態がかわったのは 施設ケアマネの一言です
「タカコさんの両手の指が 段々曲がって来ています。
このままでいいのでしょうか。これ以上曲がらないようにならないでしょうか。」
うん?
リハビリでは関節可動域訓練とか拘縮防止
とかいって 関節運動を行います。
必要な時は こちらで介助もします。
この訓練を 植物状態の方に希望されたのは
私自身 理解できませんでした。
ただ タカコさんにお会いして その気持ちは変わりました。
傍に行くと 聞こえてくる 寝息の様な呼吸音
片方だけ空いている目
食事のとれない 言葉のでない口 管が繋がっている胃
動かない手足 反応のない心
それでも生きてます。
生きているのなら 生きるための関わりがあってもいいのかもしれない
それから 毎日 反応の無いタカコさんの部屋に行き
曲がって固い 指をほぐし始めました。
寝息のような呼吸音とラジオから聞こえる声
静かなタカコさんの部屋には
大きすぎる位の 社会の音
茎はのびるとき 音を出すのでしょうか。
花を咲かすとき 音をたてるのでしょうか。
タカコさんは 生きるために 生きてる証として「生き音」を放ちます。
これも 人である事の証なのかもしれないと
固くて動かない指に触れながら
色々な 思いを巡らしています。
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確かに、リハビリの観点からすると、「その目的は?」となるでしょう。
でも、彼女は「その状態で生きることをしている」のだと思います。
私は、ハンドをしていて、心地よいのは、おしゃべりもすきですけれど、彼女たちのような方とゆっくり、呼吸を合わせて行うハンドがとても好きです。体でいろんなことを教えてくれます。
言葉を介さない、体と体のコミニュケーション
是非、楽しんでください。
きっと、いろんな発見がありますし、いろんな学びを得られられますよ^^
以前の介護は「お客様本位」でした。でも、今は「家族本位」なんですよね。一見、意味の無いリハビリかもしれませんが、こうしゅくして痛さを感じるのは、痛さを表現が出来ないお客様だと思います。私達、介護職は生活を支えるのが仕事で、どこまで突き詰めても「お客様本位」を忘れてはいけない職業だと思ってます。ケアマネさんの一言って、そんな視点からだと思います。
>幸(高)齢者ハンドセラピスト~ハンドケアはハートケア~さん
ありがとうございます。そうですね、生きているぬくもりを感じる事で、命の重さを感じます。
>恵愛さん
そうですね。声なき痛みを私に代弁してくれたのですね。ありがとうございます。