認知症の継母の介護をしていたノブコさんの突然の死

仕事を終え帰宅すると 待っていたかのように

電話が鳴り響きました。


慌てて靴を脱ぎ 受話器を取ると 

「もしもし 介護ママさんですか」と聞き覚えのある声

「突然のお電話申し訳ありません。私○○ノブコの妹のアキコです」

突然の電話での訪問に

驚きと 不吉さを感じながら

「お久しぶりです。」と答えるや否や返ってきた答えは

「あのー 姉が昨日亡くなりました。」


「えー?!どうして?病気だったんですか。

いえ、違いますよね。」

動揺する私に 彼女は静かに 話し始めました。


「いえ クモ膜下出血で倒れ、そのまま帰る事なく亡くなったのです。

2~3日前に 皆さんとお会いしたと兄から聞きました。」


「そんな そんな」

込み上げる 怒りとも言えない悲しみ


彼女のお姉さん ノブコさんと知り合ったのは

93歳になるお母さんの介護の相談でした。


姉のノブコさんにとってお母さんは実は継母になるのです。

継母であるための屈折した愛情の中で育った幼少期

そのため ノブコさん うつ病にまでなったのですが

ご主人と出会い 立ち直り 幸せな生活を送っていました


しかし

実子である妹が遠く離れた地にお嫁に行った事で

皮肉にも 認知症の継母のお世話をしなければならなくなったノブコさん

 

家が近い事もあり 

私は 介護をしているノブコさんの 

話を聞いたりと 行き来をしていました。

 

子供のいないノブコさん ご主人の力を借りながら

全てを受け入れ 

継母のお世話を必死でしていた矢先の悲劇


妹さんの言葉は続きます。

「私は この地を離れて30年近くになります。

母も高齢で  相談できる人もいなくて・・・」


祭壇で御焼香を終え

親族の最前列にニコニコ笑って

車椅子に座っているお母さんの足元に

私は膝まづき

 

「あなたは 養女のノブコさんが亡くなった事を

分かっているのでしょうか。

あなたのお世話をしていたのは

小さい頃 辛く当っていた 長女のノブコさんですよ。」


そう 問いかけたい気持ちを抑えて

深く深く 一礼しました。


お経が始まると 遠くの方から

「お坊さんがきてる~」「みんな立ってる。私も立たんなんかね~」

と無邪気な声が聞こえ 

あらためて ノブコさんの苦労が身に染みた

お通夜の夜でした。



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2 Responses to “認知症の継母の介護をしていたノブコさんの突然の死”

  1. より:

    ノブコさんの ご苦労様 心の葛藤。
    神様も何もあったもんじゃないと 怒りにも似た感情が湧きます。私は 実母でしたし 母に いろんな思いを抱いていましたが 今は 自分の家族だけの生活を手に入れる事が出来ている幸せを 噛みしめなければと感じています。

  2. 介護ママ より:

    >雪さん
    ありがとうございます。そうですね、今の幸せを噛みしめ、感謝しながら生きていきたいですね。

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