頑固な老人の介護、態度が変わった一言
今日は 嫌われ者といわれたおじいさんが
ある一言で 打ち解けてくれたお話をしましょう
おじいさんは 元建設会社の社長さん
景気も良く 夜な夜な繁華街を飲み歩いていたようで
奥さんは随分苦労されたようです。
ある日 大きな建設事故にあい
それからは 介護が必要な生活を送ることになりました。
でも 社長時代の傲慢さはそのままで
いつしか周りの人達は みんな離れて行きました。
そして そのわがままと傲慢さは 段々エスカレートし
入院中のリハビリでも大きな声を張り上げ
若い男性スタッフを振り回していました。
退院後 私達のデイケアにきたのは
いくつかのデイサービスを転々として来た挙句の果てでした。
デイケアでは私がリハビリ担当です。
「若いとはいえ 男性スタッフでさえ 顎で指図する人
私は 鼻からバカにされるだろうな」と
正直な気持ち 嫌気が先に来たのです。
リハビリ初日 お話を聞いたり検査をするのですが
全く無視 ろくに返事もしません。
そのうち 隣の人の道具を取って
勝手に体操を始めかけた その時です。
私も我慢の限界を超えました。
怒る時は 利用者さんでも容赦ありません。
「勝手なことはしないで下さい。
これはあなたには 無理です。」と怒りました。
(そんなに大声ではないと思いますが、相手は難聴なので・・)
おじいさん 頭にきたのでしょう。
「誰が決めたんや」と声が震えています。
「私です!この部屋では 私の指示に従ってください。
危険です。」と
「なんやて~(こちらの方言かも)
なんのために おまえが決めるんや」
もう おじいさんの怒りはピーク。
こぶしを上げ 声を張り上げ 足蹴りさえする構えです。
私自身は 利用者さんを怒らした反省も含め
我に返り 声のトーンを落として 一言
「あなたのためです。
○○さん あなたが元気になってほしいからです」と
ちょっと善人ぶってるかもしれませんね。
でも どんなに我がままで身勝手な人でも
リハビリを受けにくるのは 元気になりたいから
だから その気持ちは大切にしなくてはなりません。
実は おじいさん その一言で急におとなしくなったのです。
挙げた拳をおろし 足もマットに戻しました。
そして それからは
ちゃんと指示にしたがってくれるようになったのです。
おじいさん ホントは
「誰も自分の事を考えてくれない。自分は嫌われ者」
って 感じていたのでしょう。
だから 反抗的になって 強がっていただけだと思うのです。
だから「自分を心配している」という言葉に
おじいさんの中にあった寂しさと素直さが
我がままと傲慢さを抑えてくれたのだと思います。
どんなに 身勝手で、嫌いな人でも
今 助けを求めて私達の前に来たのなら
隠れている 素直さと寂しさを引き出すことも
私達の努めかもしれないと この時思いました。
介護でお悩みの方へ
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素晴らしい人です。
介護ママさんの本気がわかったこの社長は大したものです。
普通は叱られることで逆恨みすることが殆どです。
ワンマンで鳴らした社長さんが、過去多くの人を右往左往させたことでしょう。
憎んだ人も少なからずいたことでしょう。
でもこの社長さんはとても大事な能力を持ち合わせていました。
それは・・・人の才能を見抜く能力です。
介護ママさんの一言を見逃さなかったこの社長はやはりワンマン社長だけでなかったということですね。
介護ママさんの言葉の真意を見抜く能力は生まれもったものかもしれませんが、そのことを真摯に受け止める事が出来るのも、これもある意味
僕は素晴らしい能力だと思います。
一方、怒りに燃えたような書き方を介護ママさんはされていますが、怒ることも素晴らしい能力だと僕は感じています。
年がら年中怒りにまかせたやり方は唯の偏屈
だと思われますがTPOを心得た怒りは能力がなければなかなか出来ないことです。
そういったことからお二人は素晴らし人だと感じました。
>☆こいちゃん☆さん
いつもありがとうございます。育児の目線で介護のブログを呼んで頂ける事は、とても光栄です。嬉しいコメントありがとうございます。
>のうえんさん
とても、元気を頂くコメントです。この社長さんは、今も孤独ですが、リハビリは休まずされてます。私も怒った責任がありますので、しっかり向き合っていきたいと思います。身に余るコメントありがとうございます。
良かったですね。
強がりや弱さを見抜かれた時、恥ずかしいという気持ちとわかって貰えたと嬉しい気持ちと両方あると思います。
どちらの気持ちも嘘じゃなく有り続けるものだと思うのです。
多かれ少なかれみんな一度は孤独感や寂しさを感じていますよね。
おじいさんにとっては介護ママさんは、良き理解者だたったのでしょうね。