見えない病魔と足元の希望
以前ブログでお話した 手足が不自由なコウイチおじいさん
施設に入所されてからも
職員の手をかりながら 自分らしく生きてます。
物静かな 読書家であるコウイチおじいさん
実は 私もスタッフも ふと疲れた時お部屋によって
おじいさんと たわいもないお話をするだけで
気持ちが楽になるのです。
そんな 優しいコウイチさんですが
その小さな体には 見えない病魔が潜んでいるのです。
ある日 コウイチさん、施設ケアマネさんに相談されました。
「トイレが 一人でできなくなってね。
今まで踏ん張れた左足が 踏ん張れなくなったんだよ。
なんとかならんかね。」と
施設ケアマネは 早速私の所にきて
「コウイチさんの希望、なんとかなりませんか。
もちろん 無理だと分かってます。
でも、なんとかなりませんか」
無理とわかりつつも 相談においでるのですから
こちらも 無理を承知で引き受けなければなりません。
早速カンファレンスを開き 介護スタッフの協力のもと
『コイチさんを 一人でトイレをしてもらう』プロジェクトを立ち上げました。
いえいえ、たいしたことはないのです。
私ができるのは リハビリだけです。
早速コウイチさんのお部屋に行き
「コウイチさん この足の踏ん張りがなくなったのなら
これ以上力が落ちないようにすること
そして元の力に戻す事 を目標に 毎日5分でもいいから
訓練しましょうね。」と
嫌がるだろうな~と思いながらコウイチさんに提案すると
「はい!わかりました。頑張ります!」と元気な返事がきました。
実はコウイチさん 最近よく口にするのは
一人暮らしで頑張ってきた時のご自分との比較です。
賢いコウイチさんは 多くは語りませんが
人の手を借りながら 生きているご自分に
覚悟は決めていたものの
排泄だけは 自分の力でやり通したかったのです。
その事が コウイチさんの人としての 生きている誇りであり
これから生き続けていく希望だったのです。
今のご自分にあきらめるか 立ち向かうか
その狭間で悩んだ末 施設ケアマネに相談した 決断と勇気
コウイチさんは それから私に話してださいました。
「せんせい 希望ってのは 高い所にあるとは 決まってないんですね。
ほんの足元にもある事があるんですよ。
でも その足元の希望すら 私は届かないんです。
そんな私を ここの人達は 必死で応援してくれて
私は ホント 生きていてよかった。」と
明日からまた 化学療法で3日間入院される コウイチさん
見えない病魔と 足元の希望
いつも その狭間で 懸命に生きているコウイチさんを
私は 人生の先輩として 尊敬しています。
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>Piccoloさん
ありがとうございます。年は重ねていても、まだまだ駆け出しなんです。頑張っていきます!
>かおりんさん
「足元の希望」を理解して頂いてとても嬉しいです。